ひこばえ通信
2007年1月号(第246号)

暮らしからの政治(31)
川西市議会議員・北上哲仁(あきひと)
安全な公園遊具を

 ここ数年、全国的に遊具利用中の大きな事故が続きました。舟形ブランコでの死亡事故、箱ブランコでの大腿骨骨折、回転遊具や滑り台での指切断などは記憶に新しいところです。厚生労働省の調査によると1997年〜2001年の5年間に一ヶ月以上の加療を要した事故が2613件、うち死亡事故が3件という結果でした。
 かつて、遊具での事故は、「たまたま起こった不幸な出来事」あるいは「親や子どもの不注意に問題がある」と捉えられていましたが、昨今事故原因が、遊具の構造上の欠陥や老朽化による劣化などに起因することが明らかになってきました。行政の果たす役割が問われています。川西市においては、専門家による安全点検を行い、撤去・補修を施しました。
 そこまでは良いのですが、厳しい財政状況のため撤去した後、遊具設置を行わない公園も出てきています。公園前で演説していた際、若いお母さんから「子どもたちの大好きな滑り台がなくなって残念。何とかして」との意見を聞きました。2002年に国土交通省は「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」を出しました。そこには「子どもが遊びを通して、心身の発育発達や自主性・創造性・社会性等を身につけてゆく『遊びの価値』を尊重する」と記されています。子どもにとって遊びは成長に必要不可欠であり、安全な遊び場の確保は大人の義務です。ガイドラインの趣旨からしても、「必要な遊具を速やかに設置するべきだ」と私は議会で主張しています。