遠いからこそ直接のつながりを
タイバナナ生産地を訪問 津田道夫(よつば農産) 11月15日から19日まで、よつ葉が取り扱っているタイバナナの生産地、タイ南部チュンポン県を訪問する機会を持ちました。関西よつ葉連絡会の産地交流訪問団の一員として参加したもので、団長として連絡会代表の津田政己さん、和歌山の柑橘生産者の蔵本さん、会員として参加してもらったのは川西産直の武居さん一人でしたが、総勢7名のにぎやかな訪問団でした。 |
![]() 協同出荷発展させた先駆者の努力痛感 よつ葉が取り扱っているタイバナナの生産者は、チュンポン県のサウィ郡というところが中心の、小規模自作農民がつくる生産協同組合です。それまで他の作物を中心に栽培していた農民が、日本向けの無農薬栽培のバナナづくりに取り組んで、協同集荷場、選果場をつくっています。もともと、こうしたタイバナナの日本向け輸出を組織してきたのは、日本の生活協同組合でした。フィリピンを中心とするバナナ栽培は、大規模プランテーションでの栽培がほとんどで、無農薬バナナですら、日本の商社が輸入業務を取り仕切っているため、産地の農民との直接的なつながりを持つことは、特別な場合を除いて困難です。そこで、生産農家と直接つながりを持つことができるようなバナナの輸入を実現したいというのでタイバナナの無農薬栽培と日本向け輸出が、バナナの受け手側である日本の生協組織の協力でつくられてきたそうです。
いくつものバナナ圃場を案内してもらって、その姿、土、栽培方法が一つひとつ違っていることを知って、「やっぱ、農業はどこでも一緒なんや」とうれしくなったものです。行く先々の農家で温かい歓迎を受け、おいしいタイの家庭料理もごちそうになりました。皆、明るくて、女性は特に元気でよく働いていました。 受け手の私たちにできることは? 2日目に訪れたラメー郡のバナナの集荷場では、過剰に出荷されたバナナが6t近く、現地の業者に買い叩かれて引き取られていく現場にも遭遇する機会に恵まれました。受けて側の日本が、ちょうど正月休みに入るため、受注が激減した結果だということでした。日本とタイの距離、収穫から日本の家庭に届くまでの時間の両方で、遠くて長い隔絶があるわけで、その間を、小さな生産農家の協同組合と日本の消費者の協同組合がつないでいくためには、いくつもの困難が常に横たわっているようです。けれども、一見、非効率・非合理と映るこうした試みこそが、世界の均質化、グローバリゼーションに対する有効な反撃ではないのかと思いをめぐらせながら、2日間の産地訪問を楽しんできました。 |
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このバナナ 誰がつくったバナナかな? HOMTON.COM 《ホムトンバナナ生産者情報検索システム》 http://www.homton.com/ このサイトにアクセスし、バナナに貼ってあるシールの番号を入力すると、生産者と産地の情報がわかります。 ![]() |