2006年5月号(第238号)

大豆 まもなく初夏、作付けシーズン到来
よつ葉のこだわり、ますます本気!
「農を変えたい! 3月全国集会」開催さる
今こそ日本農業の再構築を
料理教室 各地で
暮らしからの政治(23) 福祉施設民営化の影で
野良仕事のひとりごと  薫風「凍る」5月です
大阪から 自立支援法が始まりました
ぐるーぷ自己紹介 行き場を失う動物たちを考える会
会員のひとりごと  落とし穴
15期『ネイチャークラブ』始まりました!
3/18 自分の言葉で伝える
よつ葉全体学習会を開催
こんなん聴きました
共済だより 霜月日記(5)
4/16「めざせ! 安心して暮らせる環境!」
フェスティバル(芦原公園)
読書クラブ「ほん市場」新規クラブ員募集中!
Non! GMO 産地からの声
第8回 遺伝子組み換え作物が野生化している(2)

あかるい食育Z(3)、編集後記




大豆 まもなく初夏、作付けシーズン到来
よつ葉のこだわり、ますます本気!

 初夏に大豆といえば、まず思い浮かぶのは「豆腐」でしょうか。素材の味そのままもよし、シソやショウガ、ミョウガなどをたっぷりかけてもよし。しかし「つくることを大切にする」よつ葉としては、初夏が大豆の作付けシーズンであることも、しっかりお伝えしておかねばなりません。そこで、今年から地場の農家に大豆作り運動を呼びかけている「大豆くらぶ」、この時期に別院食品豆腐工場に契約大豆を届けてくれている神室産直、会員さんとともに農作業を楽しむ「にんじんクラブ」、それぞれに今年の大豆作りへの意気込みを語っていただきました。(編集部)


いよいよ作付け 「大豆くらぶ」本格始動
鈴木伸明(大豆くらぶ世話人のひとり)

  6月からいよいよ大豆の作付けが始まります。今年の初めに発足した「大豆くらぶ」の活動開始です。農業の現状に危惧を抱く者として、何か私たちにできないかと考える中で、大豆を自身で作ってみよう! 地元の農家「つなぎの会」の人たちにも呼びかけて可能な限りの拡がりを作ろう! と始めた取り組みです。
 大豆は米に次ぐ基礎食材。「伝統食品」といいながら原料の大豆は輸入、しかもほとんどが遺伝子組み換えというのでは情けない話です。基礎的な食材は自給すべきだ、と思うのですが、現状は程遠いところに来てしまっています。「金にならない」と辞めていく農家は後を絶ちません。このままの傾向が続いたらどうなるのかと考えたら寒い想いがします。政策的な支えがなくなれば米も同様の運命です。
 でも、今の社会は大いに変、いつまでも続くわけがないと考える人は少なくありません。農業を持続しなければ次の世代は生きられない! そんなあたり前のことがわからなくなっている今が異常なのです。
 とはいっても、「おかしな社会」がすぐ変わるわけでもないし、「金にならない仕事」に一生懸命で取り組む人も希少です。しかし、農業の大切さを感じてもらう取り組みは農家でない私たちにも少しは可能、と考えて始めた試みです。
 畑仕事は身近にできる楽しい作業です。人と自然の関わりに想いを馳せる、作ること・育てることがいかに自身を豊にしてくれるかを実感できる、などなど。上手に作るには知識と技術が要りますが、失敗してもまた勉強して挑戦すればよい、と気楽に構えてできます。たとえわずかでも土があればできる作業です。
 収穫した大豆は全量しょうゆや味噌、豆腐に加工する予定です。もちろん、収量次第ですが、加工できる程度の収穫は皆で力を合わせてやっていきたいと意気込んでいます。
 四季折々の作業を、また2年後には「大豆くらぶの醤油・みそ・豆腐」が生まれることを、楽しみにしながらの活動です。会員の方も各地区のにんじんクラブでの大豆作りにぜひ参加していただきたいと思います。 

神室産直の石川さん。

大豆栽培へかける想い
石川正志(山形神室産直連絡会)

 消費者の皆様に安全安心をお届けさせていただくことは、私たち農民のつとめです。農産物に限らず国内の製造業も高品質化、差別化が顕著になってきました。農業分野でも皆様によりご満足・安心していただくため有機化やトレーサビリティ(顔の見える関係)が急速に普及しております。
 さて、大豆栽培は単年度で考えると結構儲からない仕事です。しかし、土地柄もありますが、広範囲の農地の有機化を進めていくとき、田畑輪かん技術は耕種的な病害虫防除・雑草対策になると考えられます。また、農家1戸当たり5〜10haの農地を次世代に継承させていくことを前提にしたとき、ある程度横械作業体系化可能な土地利用型作物である大豆は有力な候補です。
 今後、大豆の収穫時期が天候に恵まれない新庄において、いかに品質を落とさず収量性を向上させるかが問われます。先人たちもそうであったように、私たちの汗がきっと成功に導いてくれると思います。


昨年の「奈良にんじんクラブ」の種まき。期待をこめての初挑戦だったのですが……。

食べてるだけじゃ分からない
米田寛(奈良産直・奈良にんじんクラブ)

 昨年、奈良にんじんクラブで大豆作りに初めて取り組みました。完全無農薬で取り組みました。結果的に収穫はゼロでした。6月に畝立てを行い、種を蒔き、水をやって、雑草刈りをして、芽が出てきました。そしてやっと豆が実ってきたなと言っている頃、虫にやられてしまいました。一瞬の出来事でした。
 やっぱり何か虫除けのものを撒かねばならないか、と個人的には思いました。24時間虫の監視をすることは不可能です。といって農作物を全滅させるのはどうかと思います。
 よつ葉の農産物は完全無農薬を目指していますが、省農薬の野菜も存在します。生産に致命的打撃を被ると判断されたとき、事実の公表を前提として、できるだけ少量の農薬を使う場合です。まじめに農業を営む生産者が苦慮のうえ行っていることと思います。にんじんクラブは収穫も大事ですが、過程が大事と思っています。いわゆる農薬や化学除草剤などを使わずに農産物を作ることが、いかに大変かということを身を持って感じることに意義があるのです。
 昨年は種代などの費用と多大な労力を無駄にしました。しかし、いい経験になったと思っています。この経験をいかして次回は立派なものを収穫したいと思っています。


今年1月の「大豆くらぶ」顔合わせ。

「にんじんクラブ」では皆様の参加をお待ちしています。いっしょに大豆を作りましょう。お問い合わせは各配送センターまで。