関西よつ葉連絡会の福祉への取り組み
地域に根ざして
NPOよつ葉福祉友の会 理事長・津田順子
介護保険制度の改悪
2000年にはじまった介護保険制度は、40歳以上の人から介護保険料を徴収し、従来は役所の窓口でおこなっていた高齢者福祉サービスを、民間事業所に移行させました。役所で介護保険指定事業者の一覧だけを渡されて、自由に個々と契約してくださいと言われて困惑された方は多いと思います。民間事業所がせっせと高齢者の相談に応じ、65歳以上の介護認定を受ける人が掘り起こされ、保険給付が増えました。これは制度上当然だし良いことだと思います。
ところが5年を経て今回、「公的」介護保険制度の保険給付を抑制(!)するという改悪が行われようとしています。「地方でできることは地方で」「民間でできることは民間で」という具体案は、高齢者施設に入居されている人に食事代や居住費を自己負担させ、一番に要望のあるヘルパーによる「家事援助」等は、高齢者の体力の衰えになるという理由で削減し、筋力トレーニングなどの介護予防給付を別立てで新設するなど、制度がややこしくなる上、い内容が改悪されています。
さらに、「見直しに伴い増加する役所の仕事は外注」してもよいというエエカゲンな内容です。06年度からの介護保険制度の見直し案(2月に政府が発表)には腹立たしい思いがいっぱいです。現場の声をちゃんと政治に行政にくみあげてほしいものです。


▲霜月会の活動、(上)五月山へお出かけ、
(下)食事準備風景 |
よつ葉共済会の福祉活動
96年に発足した共済会は、相互扶助活動としてうれしい時や困った時に共済給付をおこなうと同時に、地域での福祉活動に取り組むため有志によるNPOよつ葉福祉友の会を発足させ、01年からはホームヘルパー2級養成研修を行っています。多彩な講師陣による生きた講義と実技・実習は大好評で、今年は大阪市内で第5期研修(大阪府指定)を行います。
豊中ではじめたミニデイハウス(お茶会)は、発起人のお一人に「霜月会」と命名いただき、7年目に入りました。03年からは週3回に広げ、「今日も元気だ。ごはんが美味い」をコンセプトに、ボランティアが力をあわせて、よつ葉の素材を中心とした手作りの食事会を開いています。
ここで教えられたのは、人は人に関わって生き生きとされるということです。参加された高齢者の方々は、一人暮らしの方、高齢者所帯の方、子ども所帯と同居の方とさまざまですが、見知らぬ人同士が食事を通じて、遊びを通して、おしゃべりし、笑い、どんどん闊達になられます。お互いが癒しになっているんだと実感する日々です。
高槻では、NPO法人きららが街かどデイハウス、グループホームと訪問介護の3つの事業をしています。「きらら」で互いに出会った方々の笑顔がとても素敵です。
地域に根ざしてできることからコツコツと
居宅介護支援事業所ケアプランとまとの開設
在宅介護支援センターで相談員として活躍されてきた曽我部さんがメンバーに加わり、介護保険及び福祉サービスに関する相談電話の窓口を開設します(毎週火曜日10時〜正午)。また、居宅介護支援事業所「ケアプランとまと」の業務を開始しました。利用者の希望によるその人らしい生活を続けられるように介護保険制度や、必要な医療・福祉等の社会資源の利用を提案していきたいと考えています。
上野デイサービスセンターを新設します
霜月会では、よつ葉のヘルパー修了生の有志メンバーやボランティアの方々が「声に出して読む日本語」や「絵手紙」「レクレーション」などのプログラムに取り組んでいます。また、プロの先生方による音楽や体操指導、煎茶を楽しむ時間もあり、ゆったりとしたひと時を共有しています。この空間を、介護の必要な方が集えるデイサービスセンターに発展させていきたいと準備をはじめました。
基本方針は、
T 地域に根ざしたよつ葉の福祉センター
U 利用者個々人の自己実現に向けたケアプランの作成と実践 です。
また、(1)よつ葉の素材を使った手作りの食事 (2)質の高いプログラムの生活リハビリ指導 (3)居心地のよい生活空間づくり をめざします。一人一人がかけがえのない人間であることを心に、泣いたり、笑ったり、怒ったり、生き生きした声が届く街かど(社会)にしたいと願っています。
(注)
■居宅介護支援:要介護状態等になった場合に、利用者等からの依頼を受けてケアマネージャーがケアプランを作成し、その方の在宅支援をおこなうこと。
■デイサービスセンター(通所介護):要介護状態等で通所される方を対象に、入浴および食事サービス等、日常生活の世話をおこなう場。
■街かどデイハウス:65歳以上の自立の方を対象に、地域でおこなう互助活動の場。介護保険制度の対象外。 |
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