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山名酒造 (兵庫県丹波市)



何故、「酔ふて候(ようてそうろう)」という酒銘になったのか? それは今から30年ほど前、ある老舗の酒蔵が長い歴史を閉じられることになり、当蔵が取引先を引き継いだのがそもそもの始まり。「酔ふて候」はある自然食品団体に出荷されていた銘柄でした。

その自然食品団体の代表に、醸造元も変わることだから新たなネーミングにしましょうと持ち掛けたのですが、頑なに酒銘はそのまま使うようにと指示されました。代表は長身長髪ジーンズ姿のスリムな男前で、およそ「酔ふて候」という古臭いイメージとは違ったのですが…。その後うかがったところでは、代表の敬愛する恩師が命名・揮毫(きごう)されたとのこと。見た目より信義を重んじる一徹な方でした。

自然食品つながりでよつ葉のラインアップに「酔ふて候」が加わって、もうかれこれ20年以上の時が過ぎました。そして今ではよつ葉だけに出荷するオリジナルアイテムとなり、四季を通して変わらぬ風味を会員の皆様にご愛飲いただいています。ただし年に一度だけ蔵出しする特別な一本があります。それが今週からお届けする「酔ふて候・しぼりたて」です。

通年の「酔ふて候」は一定の熟成期間(半年〜1年)を経たのち、火入れという低温殺菌を施して蔵出し。しかし今回の「酔ふて候・しぼりたて」は搾ってまもない原酒を何の加工もせずに瓶詰します。この酒の醍醐味は、何も足さず何も引くことのできない、生まれた姿そのままをダイレクトに味わえること。その酒の出来栄えがストレートに伝わります。今年は日本酒度+9(甘辛度の指標:+は辛口/−は甘口)という分析値が表すようにキリッと辛口の仕上がり。しぼりたて生酒の若々しさもあいまって、爽やかな口当たりと鮮烈なのど越しをお楽しみいただけます。

コロナ禍に見舞われて一年近く経ち、いまだ安心できずにおうちで晩酌という方も多いと思います。冬本番を迎えた食卓に上る料理に合わせて、通年の落ち着いた風味の「純米酒 酔ふて候」と今だけの「酔ふて候・しぼりたて」を飲み比べてみるのもオススメ。燗につけたり冷やしたり常温でどうか等々、その日の気分で楽しめば、同じ酒なのにどうしてこんなに味が違うのかとビックリされることでしょう。しかしそのどちらにも底流する当蔵の酒の自然な酔い心地を感じていただければと思います。いつのまにやら私もあの一徹な自然食品団体の代表の気持ちがわかる年ごろになりました。

(山名酒造 山名 純吾)
2021年『Life』40号



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