和田萬(大阪府大阪市)

和田萬は、1883年創業のごま専門メーカーです。他社にはない、ごまを焙煎する技術が強みです。ごま焙煎歴40年以上の和田萬4代目・和田悦治が今でも毎日のようにごまの焙煎加工を行っています。ごまの風味は70%が焙煎で決まると言われており、表皮を焦がさず芯まで火の通った和田萬のごまは生臭みがなく、香りと風味が豊かで旨みたっぷり。少ない量でも料理に風味をつけてくれます。いりごま、すりごま、ごまペーストの定番製品以外にも、ふりかけやごま和えのもとなど、豊富にラインナップしています。大阪市北区の天満地域にある和田萬本社の横に、江戸時代からの蔵を改造した「萬次郎蔵」という直営店舗があります。ここには約100種類近くの和田萬製品すべてがラインナップされています。
国産ごまは、私たちは20年前から国産ごまプロジェクトとして鹿児島県の喜界島で栽培を開始し、近畿圏では奈良県都祁村で栽培を始めました。その後、試験栽培も兼ねて北は北海道から南は宮古島までさまざまな地域で栽培を実践してきました。しかし、何年も続く異常気象や気候変動、機械化がなかなか進まない栽培の難しさに加えて、生産者の高齢化や他作物への転換などもあり、国内のごま栽培の状況は厳しさを増しています。全国で年産150トンを超えた時期は遠い昔、栽培規模・収穫量ともに大きく縮小傾向にあります。
そんななか、私たちは奈良県で2009年から自分たちでごま栽培を始めるとともに「ごま畑オーナー」を募り、運営しています。種まきから収穫、選別作業を地元の生産者の皆さまとともに行うことで、さまざまな経験と情報を得る素晴らしい場となっています。また、そこから得た貴重な経験と情報を、全国200軒以上の契約栽培の農家さんにお伝えして栽培に役立ててもらい、栽培の拡大に努めていきたいと思います。
製品の安全性という点では、2018年に大阪府八尾市の工場がFSSC22000の認証を取得。また、日本・米

国・EUの有機認証も取得し、海外への輸出事業も進めています。海外でも、これまでの常識を覆す香りの良さに、菓子職人や料理人の方々から評価され、たくさんのリクエストをいただくようになりました。私たちの目標は「世界中に本当のおいしさを届ける」です。この一点に集中して、今後も精進して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
(和田萬 石橋美里)
2020年『Life』140号

「ごま畑オーナー」の皆さん
和田萬
国産白いりごま
希少な国産100%。
上品な彩りと豊かな香りは
幅広いメニューに使えます。
和田萬
国産黒いりごま
希少な国産黒ごま100%。
お料理の彩のアクセントにもどうぞ。