広島東城有機野菜の里(広島県庄原市)
村の活性化を願って一歩ずつ
もう55年も前のこと。養鶏を軸にした村づくりを広島県東城町で仲間たちと始め、1974年からは卵を持って単身大阪に出て産直活動をスタート。東城町の発展を願いながら、大阪には25年もの間お世話になりました。
25年ぶりに帰郷すると、若い頃、夢にまで見た村づくりの構想は時代の急変についていけず風前の灯火で、村人の表情は暗く活気のなさを痛感しました。少しでも元気になれるようにと、妻や近所の方たちの後押しもあり、地域の働く場作りに始めたのがお餅を主体とした農産加工でした。しかし田舎なので餅を買ってまで食べる人などおらず、採算がとれる見通しはありませんでした。そんな時に相談したのがよつ葉さんで、それがきっかけで1999年12月、村に加工場を作り、「広島東城有機野菜の里」を発足させました。
翌年には田舎味噌や町内の若手の方が栽培している野菜を販売できるようになりました。現在は味噌とお餅を中心に、惣菜やえごま油など農産品加工と、米作りや養鶏に勤しんでいます。
少しでも村の活性化になればと願って始めた小さな仕事場が、わずかずつでも大きくなっていき、お米、野菜作りでかかわる農家が30戸。農産品加工の仕事に携わっている人が10人あまりとなっています。微力ですが、世直し(身近なところでまずは明るい村づくりから)のため、今後も感謝の気持ちを忘れずに頑張ります。夫婦合わせて165才! 今年も白南瓜・えごまを例年より多く作付けし、真っ黒に日焼けして精を出しています。
(広島東城有機野菜の里 瀬尾 賜)