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丹波の堀さん (京都府南丹市)

ちょっと変わった“赤米”のお話

普通の稲より遅れて稔る、虹いろ米・黒米・赤米の有色米たちも新米の季節を迎えました。

その中で今年から少しだけ変化した子がいます。ことの始まりは3年前、稲刈りが近くなった黒米の田んぼを見廻ってた時、広い田んぼの中に一株だけ様子の違う稲がありました。よく見ると、一株の稲の半分は周りと同じ黒米の姿、あとの半分が稲の長さが少し長く穂が明るい色をしているのです。

「あれっ?」っと思って、その穂の中から一粒を取って籾殻を剥いてみると透明感のある鮮やかな赤色のお米でした。これは面白そう。と思って、他にも同じような子がいないかと田んぼの中を探して回りましたが発見できたのは、その半株だけでした。様子から見て、どうやら黒米の種の中に赤く稔るように変化した子がいたようです。この子が突然変異なら来年も赤いお米が稔るはずです。量が少ないので味見をすることもできませんが、1年後を楽しみに全部を種にしました。

普通、うちでは田植えは2~3粒を一株に植えるのですが、その年は1粒植えで。それでも、赤米の田んぼの隅っこにちょこっと。翌年の秋、黒米の血統を持った赤米の子たちは見事に稔ってくれました。色もきれいな赤米で量も増えたので、種の分を残してもやっと味見ができます。「おいしい!」これなら皆さんに食べていただける。

うちの黒米の田んぼで一粒のお米が赤く稔ってから4年目です。1粒のお米が変化して1株のお米になり、その1株とめぐり合うことができて、その子を守り育てて「うちだけの赤米」が誕生したのです。

百姓の仕事は、育てているものたちへのまなざしが始まりです。栽培している彼らが何を考え何を望んでいるのか。お世話をしている私もいつも考え、いつも観察して、希望を叶えてやり、時に鍛えて、一緒に生きていくことが、できるだけ自然に近い農を営む百姓の仕事であり、栽培作物の福祉にも繋がるのではないかと思っています。実は他にも、最近「無農薬納豆 丹波の恵」になる小粒大豆にも小さな発見があり、もしかすると…と、期待しています。

失敗が多く苦しいことがいっぱいですが、それでもお世話をする生き物たちと共に今を生きることが嬉しい百姓が贈る「世界に一つだけの赤米」です。ご賞味ください。  

(丹波ハピー農園 堀悦雄)
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