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田中屋(愛媛県松山市)

海・山・里からの便り 伊予味噌の良さを進化させた心とからだが喜ぶ「麦こうじ味噌」


伊予味噌の良さをさらに引き出したい
伊予味噌とよばれる四国愛媛県で造られる麦みその特徴は、麦麹の自然な甘みと風味の良さです。九州や岡山などの一般の麦みそは六条大麦を使いますが、愛媛の蔵では地元の温暖な気候で栽培する希少なはだか麦。実は愛媛ははだか麦の世界的な産地なのです。六条大麦と較べてやや小粒で、お味噌のできあがりはきめ細かくしっとり、個性のある味は円やかな旨味になります。

田中屋であらたに造りたかった麦みそは、このはだか麦の持ち味を最大限に引き出すこと。「色は明るい褐色で艶があり、一口含むとふわっと良い香りがひろがり、小さな子どもでもそのままパクパクと食べられるくらいの低い塩加減」。これが私が描いた「麦こうじ味噌」でした。試行錯誤の結果、伊予味噌伝来の手法を進化させ、はだか麦の麹が8割で大豆が2割。麹が大豆の4倍というとても贅沢な配合となりました。

蔵での造り
「麦こうじ味噌」造りの秘訣は丁寧な麹づくり。これがすべてと言っていいほどに大切です。蔵には私が書いた「麹づくり」のマニュアルがあります。しかし、その通りにやれば誰でも同じにできるかというと、ところがそうはならないのです。手や舌や鼻、五感で感じながら、気持ちも麹に寄り添って育てるということに尽きます。良い出来の麹で仕込むと、仕上がった味噌の色・艶・香りが違うのですよ。

蒸した大豆と合わせ、最初にはだか麦麹から甘みと複雑な旨味を最大限に引き出します。その後の発酵と熟成に3カ月とります。塩分が低く麹の割合が多くなると、さまざまな勘どころが日々随所に必要になります。うちのような手間のかかる麦味噌をつくる蔵はとても少ないです。

心とからだが喜ぶおいしさ
田中屋の「麦こうじ味噌」はフレッシュな風味と香りが信条。一年中こまめに造っては、一番いい状態の味噌をそのつどパックして冷蔵で出荷します。もちろん保存のためのアルコール添加、加熱殺菌もしない「生」のままの味噌ですから、ご家庭に届いてからも乳酸菌・酵母菌が生きています。

私は、「おいしいと感じながら食べること。それが“からだ”にも良い」と思っています。良質の素材で造ったお味噌がおいしくなかったら、意味がないだろう! と思う気持ちがいつもあります。なので「手間を惜しまず、丁寧な造り」をいつも心がけています。こんな味噌造りを毎日できるのですから、蔵の仕事は人生の喜びなのです。

(田中屋 田中一生)
2019年『Life』300号



麹の仕込み


  1. < 田中屋
    田中屋の麦こうじ味噌
    大豆に対して麦麹を8割で仕込んだ甘口みそ。
    つけ味噌としてそのまま使うのに適しています。

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