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武田食品冷凍(兵庫県洲本市)その2

緑豊かな淡路島が育てたバツグンにおいしい天然わかめ

淡路島の由良から洲本の海域に天然のわかめがあることは地元の漁師たちは知っていましたが、今こうして“淡路発 人気の水産品”として認められるとは夢にも思っていませんでした。淡路島の天然わかめは、3.11の震災がきっかけで生まれたものなのです。

震災によって東北・三陸からのわかめの供給が止まり、全国的にわかめ不足の事態が発生しました。そんな時、淡路島の天然わかめの存在を思い出し、三陸わかめが戻る日まで由良の天然わかめをお届けしようと若手の素潜り漁師に声をかけたところ、「全然儲からんかもしれんが、天然わかめ穫るぞ!」と有志4人が集まりました。漁師たちも初めての漁なので、鎌や桶など収穫用道具をイチから準備していよいよ収穫初日を迎えました。しかし収穫は天然なので養殖とは大きく違いました。海の深さや海流など場所によって生育に差があり、茹でて食べてみると食感や味、香りにも差がありました。ですがバツグンにおいしいわかめだと確信しました。漁師は、そのおいしさの違いを実感してから一本一本の株を選び、良い物を刈り取る“由良の天然わかめ漁”独自の腕が上がってきました。

漁の後は私たちの出番です。加工場も初めてなので、おいしく茹でる温度と時間や、選別する方法、何よりも私たちにとって最も忙しいいかなごのくぎ煮の時期と重なるので、人手の確保など試行錯誤が続きました。加工場には1日に5トンほどの原草が集まります、運ぶだけでも重労働ですが、鮮度が良いうちに釜茹でして、冷凍または塩漬けして保存します。

漁の始まりは3月上旬、磯を移りながら4月上旬までの一カ月がわかめのおいしい時期です。その後メカブは胞子を出して翌年の子孫を残し、それまで海中の森のようだったわかめは根元が切れて海に漂い、他の小さな生き物の餌となります。天然わかめはもともと繁殖力が強いのですが、その資源を絶やさないように漁師はメカブを十分に残して収穫しています。

このわかめ漁によって、漁師は春先に安定した収入を得ることができるようになり、わかめの加工や出荷で新たな雇用が生まれ、和食店ではわかめの天ぷらなど新しいわかめメニューができるなど地域の活性化にもつながってきています。こんなに身近に、こんなに豊かな海の幸があることを改めて実感しています。そして何よりもおいしさ。緑豊かな淡路島の山や沢からの豊富なミネラルを含んだ水で育ったわかめは、味が濃く香りがあり、厚みがあって加熱しても煮崩れせず、程よいコシでとても良い食感です。

この春穫れた新物の由良のわかめの風味をぜひ味わってみてください。

(武田食品冷凍 武田康平)

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