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高畠納豆(山形県東置賜郡)その2



私たち高畠納豆の創業のきっかけは、戦後シベリア抑留から帰ってきた初代加藤文吉が、日本に三軒ある納豆菌屋のうちの一つ、山形市にあった「高橋祐蔵研究所」に勤めるところから始まります。そこで数年営業をおこない、全国を飛び回り納豆づくりのノウハウを獲得した文吉は独立を志し、1956年5月に事業をスタートしました。

文吉の死後、事業を引き継いだ二代目博は事業を拡張させていきます。山形県南部に伝わる郷土食の「五斗(ごと)納豆」を塩分控えめにしてもっと食べやすくした「こうじ納豆」を開発したり、小粒はアメリカ産、大粒は中国産が主流であった1980年代に「昔ながらの納豆を食べてほしい。田んぼの畔(あぜ)に植えていた大豆で作ったような納豆を」との思いでいち早く国産大豆を原料にしたりと、独自の路線での高畠納豆のカラーを作ってきました。

「おたくの納豆にはどうしてタレやからしが付いていないの?」「一番の調味料はそれぞれのお家で使っているしょう油です。それにいくら納豆の原料大豆を吟味して非遺伝子組み換えのものにしても、タレのしょう油はなかなかそうはいかない。だから、食べる皆さんが選べるようにしたい」そんなやりとりが多々あったと聞いています。

2008年、中国産の食品の問題が多発したこの年、私たちはすべての原料大豆を国産に切り替えることを決意します。北海道の生産団体と契約することで、農薬・化学肥料の使用を慣行栽培の半分以下という減農薬、減化学肥料で栽培された大豆を安定的に得ることができるようになりました。また地元の農家との契約栽培にも取り組み、互いに努力を重ねる中で需要と供給のバランスが良い農業経営と評価され、昨年、契約農家さんが農林水産大臣賞をいただきました。

そして2年前、二代目は健在ですが、私、義博が三代目として引き継ぎました。私自身はこの仕事について約20年になりますが、最も衝撃的だったのは東日本大震災です。大手メーカーの商品供給がストップし、関東以北のスーパーの売り場から納豆が消える事態が発生しました。私たちは、山形市で生産している経木容器や国産大豆の自社ストックのおかげで何とか生産を続けることができました。その時、「大規模すぎると失われた時の影響力が半端じゃない。中小規模の食品企業が地域の食を支えていかなくてはならない」と痛感しました。

そんな思いを大切にして、今後も皆さまにおいしいを届けるため、また地域の食を守るため頑張っていきます。

(高畠納豆 加藤義博)
2019年『Life』340号



経木に納豆を詰める作業。

  1. < 高畠納豆
    こうじ納豆(ひきわり)
    刻んだ納豆をこうじと塩で漬け込んだ
    山形伝統の味付き納豆です。
  2. < 高畠納豆
    国産小粒納豆3連カップ
    北海道産のユキシズカと山形産のスズカオリを使用。
    1人前にちょうど良い40g 入りのカップタイプ。

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