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園田食品(鹿児島県鹿屋市)

灰汁巻こそは鹿児島の風土が生み出した郷土食 

園田食品の製造工場鹿児島では5月5日の端午の節句に男の子が強く、たくましく育ってほしいとの願いをこめて、あくまきを食べます。もともとは戦国時代の頃より薩摩武士の保存食としても受け継がれてきたと言われ、今日でも各家庭で昔ながらの製法で作られ続けています。節句のお菓子としてだけでなく、気温が高い鹿児島では午前10時と午後3時の休憩時に栄養補給、糖分補給としてあくまきが日常的に食べられる習慣があり、子どもから大人まで親しまれている味の一つです。

製法は、餅米を灰汁水(あくじる)に一晩漬け込み、翌日にそれを竹皮に包んで縛り、大きな釜で約6時間ほど時間をかけて炊き上げると、つやのある褐色に色づいたあくまきの出来上がりです。こう書けば簡単ですが、最初の灰汁水づくりから手間がかかります。どんな木の灰でも良いというものではなく、樫の木の灰でないと良い具合のプルンとした仕上がりになりません。鹿児島では鰹節の製造で燻すのに樫の木を使うので、私たちは35年来、枕崎の鰹節メーカーから樫の木の灰をいただいて来て、灰汁水づくりをおこなっています。

また漬け込む灰汁水の濃度も、かつては各家庭ごとに異なっていたのですが、最近は灰汁水独特の匂いがクレームになることがあり、薄めの濃度で仕上げることが一般的になりました。濃度が薄いと、餅米が膨らみすぎたり、プルンとした仕上がりではなくベタつき感が出やすいなど、製造上難しいところもありますが、匂いもほとんどなく、初めての方も食べやすいと評判も良く、あくまきの裾野が広がりました。その一方で、昔からのあくまきを好む人には少し物足りないかもしれません。

食べ方は、竹の皮をはがして厚く輪切りにしてから、きな粉に砂糖を加え、塩を少々混ぜて、あくまきにつけるとしっとりした食感ときな粉のほんのりした風味が、絶妙に口の中で広がります。あくまき自体の味はそれほど強くないので、いろいろな食べ方ができ、味付けはお好みで、というのも特徴で、例えばお酒のあてとしてわさび醤油で食べられることも多いようです。 

あくまきこそは、鹿児島の風土が生み出した独特の郷土食。われわれが守っていかなければと思っています。    

(園田食品 藤井法秋)

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  2. < <園田食品>あくまき
    きな粉、砂糖、塩少々をつけてどうぞ
    灰汁とモチ米だけで作る南九州特産の餅菓子。
    アルカリ食品でミネラルも豊富です。
    砂糖醤油やポン酢でもおいしい。
    ※賞味期限:製造日より10日
    ※きな粉はついていません。糸を使うと切りやすいです。

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