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しじみ屋

漁師が水の番人となって、豊かな宍しんじこ道湖を次の世代に繋げます
しじみ屋 島根県松江市



春を迎えしじみの美味しい時期がやってきました。この時期、しじみは冬に栄養を蓄え、水温の上昇とともに深い湖底から顔を覗かせ始めます。春一番しじみと勝手に呼んでいますが、1年でもっとも美味しいと感じる季節です。また春先は1年の水揚げを占う時期でもあり、この時期から順調に採れ始めると、漁師の私たちは豊漁に期待を寄せることができます。では今年の水揚げは…と言うと、今のところ順調に採れ始めるので、まずはほっと一安心というところです。

1年を占うこの時期に思い出されるのは、2006年7月の松江市水害です。1カ月にわたって宍道湖への海水の流入が絶たれ、ほとんどの親貝・稚貝が絶滅してしまいました。この影響は数年先の水揚げにまで大きな打撃を与え、このまま資源が枯渇するのではないか? と、漁業者・しじみに関わるさまざまな関係者は何年もの間たいへんな思いをしました。採捕量や操業日数の削減、湖底耕うん作業など、再生に向けて漁協も含め漁師自らが行ってきた数々の取り組みを思い出すたびに、この春先にしじみが取り始めることに「宍道湖に感謝」と思わず手を合わせてしまいます。

「豊かな宍道湖を次の世代に繋げる」という目標を掲げ、しじみ屋を運営して15年が経とうとしています。常々感じるのは、豊かな宍道湖とは「しじみが採れ続ける環境」と「しじみを食べ続けてもらう環境」、この両輪が上手くいってこそ、次の世代に繋げることができるということです。特に宍道湖は街の中心に存在しているため、その周辺で大規模インフラ整備が行われれば必ず影響は起きます。美味しいしじみを食べ続けてもらえるように、私たちが水の番人となって日々の変化に注意を払いながら漁業に勤しむ役割を担って、良質な宍道湖産しじみを提供すること。そして多様なライフスタイルにも対応した商品展開を図り、食卓に上がる頻度を高めていけるように努力していきたいと考えます。

このコロナ禍により、宍道湖漁協青年部として2014年から小学校3年生を対象におこなってきた「しじみ漁体験学習」も中止となっています。1日も早く再開して、島根の食文化を1人でも多くの子どもたちに伝え、宍道湖を守り育てていきたいと考えます。

(しじみ屋 引野篤)
2022年『Life』210号



(上)宍道湖     (下)引野篤さん(左から2番目)と仲間の漁師の皆さん
(上)宍道湖 (下)引野篤さん(左から2番目)と仲間の漁師の皆さん


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