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三里塚物産(千葉県成田市)その2

40年を経た三里塚有機農業の広がりを農村としての地域力につなげたい

2015年10月3日、大型低気圧の去った秋晴れの下、北千葉台地の一角佐倉市の畑で一つの結婚式があった。カップルは就農歴5年の若いお百姓、丹上徹さんと亜衣さん。4年前に隣接する山武市の有機農家で研修中に知り合い、3年前から佐倉市小竹に畑を借りて「結び合い農園」を始めた。私たち三里塚物産の落花生生産者でもある。

二人はコスモスとマリーゴールドの花畑の農道を先輩農家の運転するトラクターに乗って登場。山武市の林業家の友人たちが丸太で組み上げたピューパと呼ばれる巨大テントの会場で参加者からの祝福を受けた。お手伝いは、北千葉地域で就農したり研修中の大勢の若い仲間たち、三里塚物産からも若手が進行役を頼まれた。

北総と呼ばれる北千葉一帯は、長い三里塚(成田空港)闘争の時期に多くの外来の若者を受け入れた。そうした背景もあって一般に排他的といわれる他地域よりは新規就農者を受け入れる素地があるように思う。また、「土を守る」という三里塚農民の意識は、早くから脱農薬、脱化学肥料の有機農業に向かった。40年を経てこの三里塚有機農業が北総一帯に種となって広がり、今収穫の時期を迎えているとも見える。

ところで、その成田空港では3本目の滑走路とやらが取りざたされている。現行年間30万回の離発着枠では他空港との競争に勝てないから、50万回を目指して3本目を作るのだという。50年前、羽田空港が満杯になるからといって成田空港が計画され建設強行された。今、そのナリタが存続をかけて拡張するという倒錯に陥っている。残念なのは、半世紀前の成田周辺には農村としての地域力がみなぎっていて大反対運動がおこったのだが、今はその力が枯渇して、ややもすると誘致の方へ傾くことだ。

こうした北総地域の現状の中で、ベテランの、中堅の、そして丹上さんたちのような若手の有機農家の存在は大切だ。三里塚物産もこのネットワークの中で空港ではなく農業で未来を切り拓いていけるように役割を果たしたいと思う。

丹上さんの「結び合い農園」はことのほか地域との結び合いを大切にしている。東京・船橋・成田のベッドタウンとしての人口17万人の佐倉は直売形式の営農に適しているという確信もあるのだろう。1つを除いて5つの野菜の直納先は車で10~20分以内のところだ。スポーツクラブ、魚屋、パン屋など、いずれも飛び込みで開拓したという。その1つの例外というのが三里塚物産向けの落花生。この落花生栽培について、「安定していて助かる。増やしたいけど畑の回転から言って10アールが限度」と言う。

これを読まれたよつ葉の皆さんのところにも、まもなく「結び合い農園」の落花生が一部だが届きます。

(三里塚物産 平野靖識(きよのり))


 
  1. < 丹上徹さんと亜衣さんの結婚式
  2. <
  3. < 試し掘りの落花生で
    成熟具合を確認
  4. <

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