産直の野菜、果物、お肉などを宅配する「よつ葉ホームデリバリー」-
お届けするのは作る人の想いと、信頼できる食品です

よつ葉のインターネット注文︎
関西よつ葉連絡会

三立食品(東京都葛飾区) その2

海・山・里からの便り 47年間培われた技術を継承し、春巻きの皮一枚一枚に魂を込め続けます


三立食品は1972年に創業。現在まで47年間、春巻の皮一本でやってきました。現会長の梅村誠治、統括マネージャーの梅村治郎をはじめ、勤続30年を超えるベテランチームにより、皮一枚一枚に魂を込め、何百何千の失敗を重ね、それでもなおより良い皮に仕上げるために探求し、日本で唯一の春巻の皮専門メーカーとして、皆さまに信頼される皮作りを営んでおります。

しかし、現会長も今年で73歳。長年培われた知恵や技術を後世に残すということは、待ったなしの課題となっていました。そんな中、同業の食品会社の経営者の方からのご紹介により31才の私、西田康治が代表として事業継承していくこととなりました。

現場に入ってみて感じたこと。それは春巻の皮一枚に費やす時間、労力、技術が膨大だということです。一枚一枚が剥がれやすく、焼き上がりが薄氷のようなパリッとした仕上りにするためには生地を仕込む際の配合、1日寝かせる低温熟成の徹底した温度管理、生地を焼く際の生地の温度と水分量、焼きあがった皮の検品、全てにおいて毎日の天候や気温、湿度に合わせて調整する針の穴を通すような熟練した作業…。他社の製造現場も見学させていただきましたが、同じ物を作っているとは思えませんでした。

内心、「ここまでの技術を継承することが果たして可能なのか…」。そんな不安を抱えながら日々、現場に出て技術の習得をしていた時、支えになってくれたのが工場長をはじめ社員さん、パートさんたちでした。「会長が引退しても、私たちが技術を受け継いでいくから大丈!!  社長は焦らなくても平気だよ」と声をかけてくれたのです。会長の春巻の皮への熱意や思いが、年数をかけて従業員へも伝わり受け継がれているということに気づかされました。事業継承をする上で必要なこと。それはただ時間をかけて技術を継承するだけではなく、前任者が長年培ってきた人格、思い、携わる全ての人を知り、信じる心。それが一番大事なことだと学びました。

現在は会長が現場に出ることはほぼなくなりましたが、以前と変わらず、三立食品にしか作ることのできない春巻の皮を皆さまに提供できるよう、品質の改善に日々取り組んでおります。今後も変わらず春巻の皮に対しての熱意を絶やさず日々探求と試作を重ね、より良い商品を届けられるよう、全従業員一同、飛躍してまいります。

それとともに事業継承問題で悩んでいる他の生産者や継承者の皆さまの助けになれるように、事業継承は受け継ぐ人が一人で背負いこむものではなく、周りの人に助けられ初めて
成功するということを、今回の経験を踏まえて広く伝えていきます。今後ともよろしくお願い致します。

(三立食品 西田康治)
2019年『life』250号



念には念を入れた検品作業。

  1. < 三立食品
    春巻の皮(みちのく)
    国産小麦と赤穂の天塩のみで製造。
    パリッ!とし、サクサクした食感が自慢。

Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.

SSL GlobalSign Site Seal