るり渓やぎ農園 (京都府南丹市)その2

るり渓やぎ農園は、広々とした牧場に移転して3年が経ちました。新しい環境の中で、さまざまな問題が起こりましたが、昨年はほぼ克服し、子やぎも農園創立以来もっとも順調に飼育することができました。今年もすでに多くのやぎが生まれ、今のところ順調に育っています。
環境の変化に強いと思っていたやぎたちですが、初めの2年間はトラブル続きでした。アセビ(馬酔木、2〜4月に花が咲くつつじ科の木)を食べて死んでしまったり、標高600メートルの立地で以前にもまして寒さが厳しく、風邪をひくやぎも続出しました。土の中のどこにでもいる常在菌でもそのバランス次第でやぎたちに悪さをします。この2年間は、十分に成長しなかったり、途中で多くの子やぎが亡くなったりしました。
そこで、昨年1年間は、畜舎掃除後の房を消石灰で消毒し、さらに床を火で焼いて殺菌したり、畜舎のすきま風をできるだけなくし、また牧場内に自生しているアセビの木を切って回るなど、できることはすべてやろうという意気込みでいろいろな対策を行ってきました。子やぎの育て方も原点に戻り、こまめに体重測定し、飼料や水の管理を徹底していきました。おかげで子やぎは大きく成長し、これまででもっとも順調な飼育となりました。
野菜チームも5.4ヘクタールの米と2.8ヘクタールの野菜を栽培するまでになりました。日々、「しぜん塾やぎ農園」の作業所の利用者さんたちと一緒に栽培、収穫、出荷などの作業をしています。栽培面積が広くなっただけでなく、お米は除草剤1回使用、野菜は農薬や化学肥料を一切使わない栽培を継続しながら、味はもちろん、大きさ、見栄えも含めて胸を張れる作物を作れるようになったと思います。昨年はよつ葉さんにも、「旬菜」として多くの賀茂なすを扱っていただきました。
子やぎの季節、牧場では4月28日に「春まつり」として、今年生まれの子やぎのお披露目も予定しています。農園にも、ぜひ足をお運びください。
(るり渓やぎ農園 片岡明宜)
2019年『life』170号

広々とした牧場で過ごすやぎたち。

るり渓やぎ農園の皆さん。片岡さんは左から2人目。

るり渓やぎ農園
るり渓やぎミルク
やぎの乳を低温殺菌しノンホモでお届け。
クリーム分が浮くことがありますので
飲む前によく振ってください。
るり渓やぎ農園
やぎヨーグルト
ドリンクタイプのヨーグルト。甘さ控えめ。
やぎ乳は脂肪球が牛乳よりも小さく消化によい。