沖縄物産企業連合(沖縄県那覇市)

昨年6月に沖縄から大阪へ転勤しました。沖縄から離れた生活は、慣れないこともあり大変だと思うこともありますが、離れたからこそわかることもたくさんあって、とても刺激になっています。
そのひとつとして、沖縄は独特な歴史・文化(食文化)があるとあらためて気付かされます。沖縄伝統料理の中味汁や、B 級グルメとしても人気のタコライスは私の大好物で、叔母が作る中味汁、行きつけの飲食店のタコライスを食べたいなと恋しく思うこともあります。
もうひとつは、基地や子どもの貧困など特異な問題も多いということです。今、沖縄では新基地建設のため名護市辺野古への埋め立て工事が進められています。辺野古の大浦湾は、生物多様性の宝庫であり、そこには人々の暮らしが根付います。その宝庫や暮らしを破壊、脅かしてまで、新基地は必要なのか疑問を感じます。
もちろん普天間飛行場の早期返還も重要な課題です。普天間に行ったときに聞こえる戦闘機の轟音は、その音自体も大問題ですが、基地との距離が近いことをよりリアルに感じさせます。
とはいっても、自分が生まれた1991年には、すでに基地はあり、学生時代には、基地関係者とBBQ やクリスマスの行事で交流する機会もありました。基地が近くにあることが当たり前だったのです。その中で基地問題について学んだり、話を聞いているうちに複雑な気持ちにもなります。同時になぜ沖縄はこうなったのかと考えるようにもなりました。
米軍兵士による事件、米軍機の墜落事故や騒音問題など、基地があることで、沖縄県民が巻き込まれている現状、忘れられない過去があります。自分のことだったらと置き換えてみると、胸が苦しくなることばかりです。
普天間飛行場返還合意から22年、未だ基地返還の実現には至っておりません。実現に向けて自分に何ができるのかを考え、まずこの問題に向き合い、できることを考える。そして行動する勇気を持ちたいと思います。
私は生まれ育った沖縄が大好きです。小さい頃から、沖縄戦を経験した祖父母からは、「戦争は二度とやってはいけない。平和であり続けなさい」と教わりました。祖父母の教えを思い返すたびに、平和な沖縄を創り、未来の沖縄につなげていくことが、次世代の我々の役目でもあると強く思うようになりました。
2月24日に新基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票が行われます。ところが、この県民投票が物議をよんでいます。沖縄にある全41市町村の中で、宜野湾市、沖縄市、宮古島市、石垣市、うるま市が実施を拒否しております。実施されない市町村がある県民投票が、県民の総意を確認する意味を持つのか。世の中、いろいろな立場、考えがあるとしても、せめて自分の意見を出せる県民投票の機会は与えてほしいと切に願います。

一人の声は小さいかもしれませんが、基地のない平和で心豊かな沖縄が実現できるよう、日々がんばっていきたいと思います。
(沖縄物産企業連合 花城清太)
辺野古へ土砂を投入し、海の埋め立てが
強引に進められています。
辺野古ゲート前の座り込みには
私(花城)も参加しました。