産直の野菜、果物、お肉などを宅配する「関西よつ葉連絡会」-
お届けするのは作る人の想いと、信頼できる食品です

よつ葉のインターネット注文︎
関西よつ葉連合会

岡田製糖所(徳島県板野郡上板町)


和三盆糖とは、阿波・讃岐地方で江戸時代から独特の製糖方法により作られてきた砂糖のことです。戦前までは国内糖の一つとして多く作られていましたが、戦後、外来の安価な精製糖が輸入されるにつれ生産者は激減し、今では阿波・讃岐を併せても数軒ほどしか残っていません。それでも、グラニュー糖や上白糖にはない上品な風味と口溶けの良さが特徴で、高級和菓子などに欠かせない砂糖として知られています。しかし、その知名度とは裏腹に、和三盆糖の原材料とか製造工程はほとんど知られていません。昨年12月に岡田製糖所さんでその工程を見学させていただき、ようやく「和三盆の謎」が少し解けたのでお伝えします。

和三盆糖の大きな特徴は、原材料と“研ぎ”と呼ばれる工程の2つ。“研ぎ”とは、砂糖分と糖蜜とを分離する工程のことです。

まず原材料。和三盆糖で使われるサトウキビは竹糖と呼ばれる在来品種。沖縄などで栽培されている一般的なサトウキビと比べて、竹糖は背丈が低く、太さも親指ほどしかありません。他方で根の部分に糖分が豊富なので茎だけでなく根も使って搾汁するのも特徴です。竹糖の単位面積当たりの収穫量は明らかに一般のサトウキビより少ないですが、竹糖が持つ独特の風味こそが和三盆糖に欠かせないと、現在まで栽培され続けてきました。

この竹糖を11月から12月にかけて収穫・搾汁し、まず黒糖(白下糖と呼ばれます)を作ります。サトウキビの搾り汁はアクや不純物が多いので、それらを取り除くために搾り汁を煮て、浮いてくるアクや泡を取り除き、またフィルターで濾して不純物を取り除きます。それを結晶化させると白下糖のできあがりです。

ここからが和三盆糖足らしめる“研ぎ”の工程です。研ぎの基本的な手順は、この白下糖に手水を加え、手で丹念に練り込んで適度な水分を全体に行きわたらせます。そして今度は、これを天秤棒を使ってプレスして水分を抜きます。その際に白下糖に含まれる糖蜜の一部が一緒に搾り出されます。この作業(研ぎ)を繰り返すことで、白下糖から糖蜜分を少しずつ分離し、白い和三盆糖になるのです(ただし、あくまでも手作業による不完全な精製なので「含蜜糖」に分類されるそうです)。

かつてはこの研ぎの作業(盆の上で手水を加えて丹念に練り込む)を3回繰り返したのが、和三盆糖の名前の由来とか。現在は糖蜜の抜け具合を見ながら、4〜5回研ぎをおこない、最後に陰干しで乾燥させてようやく和三盆糖のできあがりです。

岡田製糖所では、搾汁のところ以外は全て手作業、職人の経験と技、勘がたより。竹糖という在来品種とともにこれだけの手間暇があって、あの上品な甘み、風味とすっと溶ける口溶けの良さが生み出されるのです。この貴重な食文化を何とか伝え続けたいという気持ちになりました。

(ひこばえ 福井 浩)
2017年『life』220号


  1. < 研ぎ作業
  2. < 原料の竹糖
  3. < 岡田製糖所
    阿波和三盆糖
    徳島産の竹糖を昔ながらの製法で糖蜜を抜き、
    作った和三盆糖。すっきりした甘さが特長。

Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.

SSL GlobalSign Site Seal