無茶々園 (愛媛県西予市)その2
秋漁のちりめんは白く透き通った仕上がりです
愛媛県の南側、西予市明浜町にある豊富な海の幸に恵まれた好漁場の宇和海。明浜町近海で獲れたちりめんは色・つや・風味とも絶品と称されています。祇園丸のちりめんは、漁から加工までその日のうちに済ましてしまう一貫生産が特徴。そこでちりめん漁を行っている「網元 祇園丸」佐藤吉彦さんと息子の哲三郎さん。日の出前のまだ薄暗い朝6時頃に漁に出かけます。「最近はちりめんの量も少なくなってきたなあ」と船の上で語る哲三郎さん。ちりめんを獲った後、鮮度を保つために全速力で加工場に持ち帰ります。
「できるだけ自然に近い形で加工したい」と語る吉彦さん。このこだわりのもと、持ち帰ったちりめんは、直ぐに塩分調節をした海水で2~3分ほど茹で上げ、その後扇風機などにかけて水分を飛ばして冷却します。これで釜揚げちりめんの完成です。
漂白剤・添加物などは一切使わず、天然にこだわり、塩分も控えめ。ちりめんには弾力性があり、海水を使うことによりミネラルが豊富で苦みがなく、まろやかな味に仕上がります。
ちりめんは春と秋、年に2回漁期があります。特に秋漁は11月がピーク。秋は春に比べ、たくさん獲れ、白く透き通った仕上がりになるのが特徴です。一匹一匹はとても小さな魚ですが、出来上がるまでにはさまざまな人たちのたくさんの想いが詰まっている祇園丸のちりめんをぜひご賞味ください。
(無茶々園 岩下 紗矢香)
漁から加工まで一日で仕上げる佐藤吉彦さんと哲三郎さん親子
無茶々園<無茶々園の釜あげちりめん>
愛媛県で獲れたちりめんを、塩を加えず海水でゆでているので、新鮮な海の味が特徴。