望月製麺所 (北海道登別市)その1
北海道産小麦100%の麺にこだわって25年
望月製麺所は温泉地で有名な登別にあり、1958年創業、まもなく60年を迎えようとしています。私たちが北海道産小麦と関わり始めたのは今から25 年ほど前のこと。登別発の商品をなにか全国に発信したいという思いと、大手メーカーがチルド麺の製造・販売に力を入れ始めたことへの危機感から、当時どこのメーカーもまだ取り組んでいなかった北海道産小麦100%のラーメンの開発を始めました。北海道産小麦は、外国産小麦にはない小麦本来の味わいと、ソフトでツルツルした食感が特徴で、それを全国の方々に知っていただきたいという思いもありました。ただし、取り組んだ当初は小麦粉の選定・配合に苦労し、試行錯誤を何度となく繰り返して、2年ほどかかってようやくしっかりした商品として仕上げることができました。
以来、生ラーメンを始めとして、生パスタ・生うどん・生そばと北海道の小麦を使用した商品を作り続けてきました。今では、私たちが製造する商品の約8割は北海道産小麦・そば粉を使用した商品となっています。最近の北海道産の小麦粉は、外国産の小麦粉に近づいてきているという印象が強く、以前のようなソフトな食感が薄れてきている気がします。しかし一方で、歯ごたえのある、ゆで伸びがしにくいという特徴に変わってきています。
ところで、5 年ほど前に十勝の山本忠信商店(ヤマチュウ)さんが、全国的にも有名な小麦産地である十勝なのに地元に製粉工場がないので、ぜひ地元で製粉して十勝小麦の良さを全国にアピールしたいという思いから、製粉工場「十勝☆夢mill」を立ち上げました。ヤマチュウさんとは以前から縁があったこと、また私たちと思いが共通するところもあり、立ち上げ当初から製粉した小麦粉で試作をするなどして協力してきました。そういうきっかけもあり、今でこそメジャーになった「ゆめちから小麦」を超強力粉(通常の強力粉よりたんぱく値が高いもの)としてどこよりも早く商品化することができました。
そして、このゆめちから小麦を使用した商品の一つが「北海道味噌ラーメン」です。麺はゆめちから小麦を100%使用し、かんすい・酒精以外の添加物は使わず、色素も加えていません。またスープの味噌には、北海道十勝産の「光黒大豆」を使用し、添加物を加えずに仕上げました。小麦本来の味わいと、大豆の甘みを味わえる一品となっています。
これからも、地産地消と安心して食べられる食べものづくりを進め、農家と連携した取り組み、商品づくりを続けていきたいと思います。そしてひとりでも多くの方に、北海道産小麦・そば粉の魅力を伝えていければと考えています。
(望月製麺所 小野信也)
<望月製麺所>生パスタ(フェットチーネ)
北海道産小麦を使用の生パスタ。茹で時間は2~2分半。
もちもち食感でソースが良く絡みます
<望月製麺所>北海道みそらーめん
北海道産小麦で麺を作りました。かんすい使用
味噌の濃厚な旨みが絶品です
望月製麺所の皆さん