フリースペース・うぇるびー(静岡県島田市)


見渡す限り一面に広がる牧之原台地のお茶畑と、その下を流れる大井川の向こうに見える富士山。私たち「認定NPO法人フリースペース・うぇるびー」は、そんな雄大な景色が広がる静岡県島田市で、「障がいがあってもなくても自分らしい生き方ができる地域社会をともにつくる」という目標を形にするため、2004年に設立されました。子どもから大人まで、障がいのあるさまざまな方を幅広くサポートするために活動しています。現在5か所の拠点で、障がいのある方の日常生活や外出等の支援、子どもたちの放課後活動のサポート、そして特性を生かして働ける場の提供など、多様な事業を行っています。設立からまもなく20年、日々にぎやかに活動を続けています。
うぇるびーの紅茶は、長い時間をかけてヨーロッパに紅茶が運ばれた頃のおおらかで複雑な味をイメージして1980年から作り始めました。島田市・藤枝市・牧之原市在住の筋金入りの農業人3人が、それから40年以上の長い年月、農薬や化学肥料を使わないことにこだわって生産してくださっています。安心安全な素材を皆さんにお届けするという強い意志のもと、手作りの肥料をまき、日々生えてくる草を抜き、大変な手間をかけて育て上げた茶葉を紅茶に加工して、今年も提供してくださいました。農薬による身体と環境の汚染や、原発依存の社会への疑問などをきっかけに、思いを同じくした同士が集まって協力して作り上げた熱い思いがこもった紅茶です。
そんな大切な紅茶を、就労継続支援B型事業所「りんご」に通う障がいのある利用者さんが計量し、丁寧に袋に入れ、製品として仕上げています。自分たちが仕上げた品物が飲んでいただく人たちの手に届くことに、緊張感と充実感を感じながらの作業です。障がいがあっても自分のできることを生かして社会の一員として働きたい。そしてその対価として収入を得て自立した生活をおくりたい。そんな気持ちに寄りそって私たちはこれからも活動していきます。
うぇるびーの紅茶は、国産紅茶特有のふくよかな香りがあり、熱湯を勢いよく注ぎすぐに蓋をして3分蒸らしていただければ、苦みのないまろやかな味に仕上がります。ストレートはもちろん、ミルクティーでも、またハーブとのブレンドもおすすめです。ぜひ私たちがめざす、おおらかで複雑な味わいを感じていただき、今後とも末永くご愛飲くださいませ。
(フリースペース・うぇるびー 秋野亜矢子)


紅茶を計量して丁寧に袋に入れて製品にします。

和紅茶ならではの優しい味わい