マッシモ・グラネッリ農場 (イタリア・パルマ県)
昔ながらの本物の
パルミジャーノにこだわって
イタリアからグラネッリさん一家が来日しました
硬い黄金色の外皮をまとい、1玉直径約40cm、重さ38kg の大きなチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ。この堂々たる「チーズの王様」を、マッシモさんはひょいと持ち上げ、ナイフで表面に切りこみを軽く一筋。あとはそのラインに従って、すっすっとナイフを差し込んだかと思えば、みるみるチーズは真っ二つ! 会場からは「お~っ」と拍手喝采!
2015年4月のイタリア・チーズ生産者交流会での様子ですが、普段は見ることのできないホール姿のパルミジャーノと、カットしたてのチーズの試食ができるということで、参加してくれた会員さんも私たちスタッフも大興奮でした。いただいたチーズはフルーティでナッツのように香ばしく、何とも言えない熟成香…おいしい!の一言です。
パルミジャーノの歴史は古く、中世から保存のきくチーズとして、イタリアで食されてきました。製造地域や方法・品質は、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ協会によって厳格に定められており、イタリア北部の特定地域で生産された生乳を使い、同地域で製造・熟成を経て、審査をとおったものだけが「パルミジャーノ・レッジャーノ」と名乗れます。このような厳しい基準があり自然な食品であるパルミジャーノを、さらに「有機」に限定して作る意味について、奥さんのアントネッラさんは話してくれました。「確かに、有機でなくてもおいしいパルミジャーノを作ることはできるでしょう。でも協会の基準には、牛の飼料に鈴なりの甘夏ついて、遺伝子組み換えの文言がないのです。使ってよいとも、悪いとも書かれていない。もちろん、今後基準が変更される可能性はあるだろうけれど、子どもたちでも安心して食べられる、昔から変わらないパルミジャーノ作りを続けようと思ったら、自然と“有機”を選択していました」。
遠く離れた日本でも味わえるようになったパルミジャーノですが、日本ではまだあまり知られていないことがひとつ。本国イタリアでは、皮付きでないと販売できないのだそうです! というのも、あの皮の部分にパルミジャーノの証しとなる刻印があるため、皮なしではそれが証明できないからです。逆に日本では皮付きで販売するのが技術的にも難しく…、そんなところも日本とイタリアの違いかもしれませんね。
(ひこばえ 松尾章子)
マッシモさんのパルミジャーノ
天然のアミノ酸が生みだす、深いコクと旨み
天然のアミノ酸などを含み、コクがありながらまろやかな風味。
カットはパスタに加えたり、ワインのおつまみに。口どけのよい
粉チーズはパスタやグラタン、リゾット、サラダなどにどうぞ。