丸友しまか(岩手県宮古市)その2
ご飯にかけてわさび醤油で!
宮古の初夏の風物詩でもある「瓶詰の生ウニ」。世間一般的には、ウニと言えば“板ウニ”だと思いますが、宮古界隈でウニと言えば牛乳瓶に入った生ウニが当たり前なのです。私自身、関東近郊でサラリーマンをしていた時に、“板ウニ”を見た時のカルチャーショックは今でも忘れられません。
宮古周辺では、3月下旬くらいから「瓶詰めの生ウニ」が市場に出回り始めます。ウニ漁については各漁協毎に解禁日(口開け)が決まっております。各漁協が天候などを考慮して、口開けするか止めるかを判断し、ランプの色で開けるか開けないかを示すのです。ただし、口開け直後の出始めの頃の生ウニは、ウニ本来の味よりもちょっと遠い。というか、未成熟な感じがします。やはり、生ウニにも時季がありますので、私たちは始めの頃のものは仕入れず、成長し旨味が詰まったウニを扱うために5月下旬から7月いっぱいまでを取扱期間として決めています。
各漁業者は小型船(さっぱ船)に乗り、各自のポイントで漁を行います。主に箱メガネを使い、長~いたも状の棒で殻付ウニを獲り、自分の船に水揚げします。ウニ漁には時間と水揚げ量に制限があり、時間に関しては各漁協によって多少のバラつきはありますが、約3時間程度でカゴひとつ分の水揚げ量と決められています。水揚げ後は、各漁業者自身がむき身作業を行い、それぞれの漁協でウニ加工業者によって入札され、加工業者が選別、瓶詰め(あるいは焼きウニ、塩ウニなどに加工)され、世の中へと出ていきます。私たちがお届けする生ウニも、長年のお付き合いで信頼を寄せている加工業者に瓶詰め加工をしてもらっています。
食べる際には、生ウニをざるに開け、水道水で弱めにさっと流した後水切りをしてどうぞ。器に盛り付け、適量をご飯にかけ、わさび醤油でかきこんでいただきたい。本音を言えば、ご飯が隠れるくらいにかけて召し上がっていただきたいっ! この時季にしかない、三陸の初夏の味をご堪能くださいませ。
(丸友しまか 島香友一)
箱メガネで水中のウニを探します
一日にカゴひとつ分だけ水揚げされるウニ