産直の野菜、果物、お肉などを宅配する「関西よつ葉連絡会」-
お届けするのは作る人の想いと、信頼できる食品です

よつ葉のインターネット注文︎
関西よつ葉連合会

熊野鼓動(和歌山県田辺市)その4

海山里からの便り 倉谷良造さん、長い間ありがとうございました。 これからも美しい茶畑を守り続けます。

16年前に大阪から熊野に移住した私は、この地域のお茶がとてもおいしいことにびっくりしました。地元の人が「番茶」と呼ぶのに反して、原料茶葉には一番と二番しか使いません。本来なら特上煎茶にするような良質の茶葉を釜で炒って揉み、天日で干して仕上げにもういちど炒る「釜炒り茶」という種類のお茶です。湯飲みに入れると金色の水色が美しく、上品な味わいとほのかな甘みが感じられます。地元の人の多くは茶粥にされるのですが、もちろんそのまま飲んでもおいしく、水出しにすれば絶品です。

この町では小規模での栽培農家が多く、どうしても生産者ごとに品質の違いが生じるため、ある程度の規模で栽培されている農家ということで地元の人に紹介されたのが倉谷良造さん、全子さんご夫妻です。倉谷さんの茶畑は小さな吊橋を渡り、つづら折りの細い道を上り詰めた山の上、地元の人でもその存在を知らないところにあります。紀伊半島の山々が遠くまで望め、遥か向こうから風が渡ってくるのが感じられる、町内でも最も気持ちの良いところです。

最初は、見知らぬ顔のIターン者が突然やってきて、お茶が欲しいと熱心に頼むものだから、山の上の畑まで取りにくることを条件に渋々OKをいただいたような感じでした。私たちも茶摘みの時期が来ると、「茶刈り」から「釜炒り」までスタッフが交代交代で倉谷さんと一緒に汗を流しました。

最初は恐い印象の倉谷さんでしたが、徐々にお茶目な一面を見せて貰えるようになりました。その後、お茶は倉谷さんの自宅に取りに行けば良くなり、最近では会社まで配達してくれるようになりました。とかくよそ者と思われていた私たちをいち早く仲間として受け入れて貰えたことに涙が出そうでした。

生涯現役で通された良造さんでしたが、今年のはじめ93歳であの世に旅立たれました。消防士で息子さんの実さんと私たち、そして地元のJAとでこれからも茶畑を守っていこうと相談していた矢先のことでした。いつかはこの日が来ると思いながら、有効な手立ても打てなかった力不足の私たち。良造さんと一緒にこの美しい茶畑での作業に汗を流した日々は私たちにとって他と替えることのできない宝物です。これまで教わったことをひとつひとつ思い出しながら、これからも熊野番茶の伝統とこの美しい茶畑を次代に引き継げるように頑張りたいと思っています。

釜炒り番茶ファンの皆さま、熊野ファンの皆さま、どうか応援よろしくお願い致します。


2018年『life』270号(熊野鼓動 横瀬恒人)



刈り取り作業をする、在りし日の倉谷良造さん(左)。
息子の実さん(右)と。

良造さんと全子さん


  1. < 熊野鼓動
    熊野・釜炒り番茶
    煎茶用茶葉だけを釜で炒った贅沢な番茶。
    釜炒りの香ばしさに、ほろっと甘みを感じる
    やさしい味わいです。

Copyright © 関西よつ葉連絡会 2005 All Rights Reserved.

SSL GlobalSign Site Seal