高生連(高知県南国市)その1
地域の宝“棚田”を守っていくために
“ 無農薬で大根を作ったんだけど、おたくへ出せないか?”
高知市内で「土と生命を守る会」という産直の会をやっていた頃、生産農家からこのような相談をよく受けるようになりました。ただ、当時の販売先は500世帯ほど。農産物の生産力がとても高い高知で有機農業を広げていくには、県外にも販売していくことが不可欠との思いに至り、1989年に高知県生産者連合が誕生。それが現在の高生連の母体となりました。以来、高知の生産者と消費地とのパイプ役を果たしてきましたが、25年一日のごとく“余るか足りないか”しかない農産物に右往左往しながら現在に至っています。
南国市の隣、土佐町には、山また山の地形を生かした棚田のお米が稔り、当初より20数件の農家さんに無農薬・省農薬で栽培してもらっています。「棚田の米粉」は2009年の秋、この町に米粉工場ができたのをキッカケに“この米を、米粉にもしていこう”と思い立ちスタートしました。粒食(ごはん)としての消費が頭打ちの時代、微細粉にした米粉の用途は広いので“粉食”として米の消費が拡大すれば、その分、この山間部の農村も少しは活気づくだろうと考えたからです。
自慢は味の良さと、使い勝手の良さにあります。一度、小麦粉を棚田の米粉に換えてみてください。きっと“なんだ、意外に簡単に使えておいしい”と感じていただけると思います。小麦アレルギーの方にもうってつけですし、お米の消費が年々減っている今、輸入に頼りきっている小麦( 粉)の代わりに米粉を使えば、地域の宝ともいえる大切な田んぼを守っていくことにもつながります。
(高生連 松林)