黒糖本舗 垣乃花(沖縄県うるま市)


私は沖縄県宮古島で生まれ一面サトウキビ畑でサトウキビに囲まれて育ちました。大人たちがサトウキビの刈り取りをしている風景が日常にあり、幼いときはサトウキビをかじり空腹を癒していました。また、学校に通う通学路の両側もすべてサトウキビ畑で、サトウキビの成長を見ながら私も成長しました。通学路の途中には当時宮古島で一番大きな製糖工場があり、サトウキビを満載したトラックが列をなしてサトウキビを工場に搬入していました。冬の製糖期は宮古島中がもっとも活気にあふれる季節でした。工場から風に流されてくるサトウキビを煮詰める匂いを嗅いで通学しながら、大人になったら製糖工場で働きたいと思っておりました。毎日黒砂糖が食べられるという単純な理由でした。
毎日毎日がサトウキビでした。私の子ども時代は生活のすべてがサトウキビと結びついていました。また父が宮古・多良間島の出身で、現在も親族が多良間島で年間200トンのサトウキビを栽培しています。そうしたこともあって、黒糖、とりわけ多良間島の黒糖にはひとかたならぬ想いがあります。
私たち黒糖本舗垣乃花は、この宮古の多良間島産黒糖の販売や、黒糖を主原料とした黒糖製品の加工をしています。沖縄では8島(伊平屋島、伊江島、粟国島、多良間島、小浜島、西表島、波照間島、与那国島)で黒糖が生産されていますが、多良間島は全体の約44%を生産している最大の産地で、沖縄黒糖の安定供給に欠かせない存在です。
私は、自らの半生から黒糖に関しては誰にも負けない、負けたくないとの思いがあります。「私には黒糖しかできません、黒糖しかやりません」をモットーに、ライフワークとして生涯を通して沖縄の黒糖の可能性を追及して、多良間島産黒糖にこだわった商品開発を行っていきたいと思います。400年にも及ぶ沖縄の糖業の歴史を土台に、21世紀に通じる質の高い黒糖製品を大切に育みます。

皆さまにもぜひ、この機会に沖縄、宮古・多良間島の太陽、海風を浴び元気に育ったサトウキビを原料にした多良間産黒糖を味わっていただきたいと思っております。
(黒糖本舗垣乃花 垣花兼一)
2020年『Life』20号

黒糖の製造

多良間島のサトウキビ畑


黒糖本舗垣乃花
多良間島の粉末黒糖
沖縄の黒糖の島「多良間」産100%。
サトウキビの搾り汁を煮詰めただけの昔ながらの純黒糖です。
黒糖本舗垣乃花
多良間島の黒糖かちわり
沖縄最大の黒糖の島「多良間」で育ったサトウキビ100%で作りました。
豊富なミネラル感が特徴。