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橘倉(きつくら)酒造(長野県佐久市)

“ものづくり+αの視点”で発信する酒蔵として地域や社会との関わりを深めていきたい 橘倉(きつくら)酒造 長野県佐久市


清冽な水、良質な米、寒冷な気候、そして造り人の情熱と技…。これらは、おいしい日本酒を醸すために欠くことができません。

橘倉酒造のある信州(長野県)佐久地方は、北に浅間山、南に八ケ岳、西に蓼科連峰を仰ぎ、千曲川が南北に縦貫する“山紫水明”の地で、現在も13の酒蔵が存在する有数の酒どころです。江戸元禄期の創業以来320年以上にわたり酒造を営んできました。祖先を遡ると平安時代の「橘姓」に由来し、“橘の酒蔵”の意から『橘倉』の屋号で呼ばれており、現当主は18代目になります。

酒蔵の出自は、酒造業を営みながら地域の政治経済の中心を担っていたところが多いのですが、弊社も江戸時代からそのような役割を果たしてきて、さらに明治期になると、地域社会はもちろん、自由民権運動の思想家や政治家たちとの親交をきっかけに、政治にも関わるようになりました。

現在は、日本酒造りを中心に、そば焼酎や麹を使った甘酒などにも力を入れ、好評を博しています。安心・安全はもちろん、伝統の味を守りつつ、新たな味にも挑戦しながら、後の世代に自信を持って残すことのできる製品造り、食文化に貢献していきたいと考えています。

厳寒期には零下10℃を下回る佐久特有の気候の下で、“自然の賜”として、じっくりと丁寧で手間ひまかけた酒造りを心がけています。仕込みには、自社敷地の地下を流れる伏流水を使用しています。この水は、近隣軽井沢の有名ホテルでも料理に使用されるほどの良質な軟水です。また米は、もともと低農薬栽培が普及している佐久地域において、契約農家と協力し作付面積の拡充に努めながら、「美山錦」「ひとごこち」「金紋錦」など酒造好適米の研究と栽培に取り組み、それぞれの特徴を活かして使い分けています。

「菊秀 純米酒」は、弊社の主要ブランドとして長年地元をはじめ、県外でもご愛飲いただいております。美山錦を使用し厳寒期にじっくりと醸造、決して派手ではありませんが、米の旨みと柔らかな余韻が広がり食中酒としてさまざまな料理との相性の良い味わいに仕上がっています。冷や、常温も良いですが、「温燗(ぬるかん)」はこの酒の旨さを引き立たせ、特にお奨めです。

目まぐるしい現代社会の流れの中で、酒蔵も酒造りのみをしていれば良いという時代ではなくなってきたと感じます。美酒を醸すことは当然のこととして、地域や社会との関わりの中で、真に必要とされる存在であるために、“ものづくり+αの視点”で酒蔵が発信できる価値を再認識し、存在意義を自らに問うていきたいと思います。

現在、新たな大いなる試みとして、敷地内の施設を改良し、日本初「“酒造り体験型”の酒蔵ホテル」を建設中です。インバウンドの観光客も含めて酒造り体験を起点に、日本らしい、地域のさまざまな文化や日常体験に触れていただいて“点ではなく面で”佐久の魅力を発信、広く伝えていこうというプロジェクトです。ぜひご注目いただけば幸いです。

(橘倉酒造 井出 太)
2020年『Life』40号



実りの秋と浅間山

  1. < 橘倉酒造
    菊秀 純米酒
    甘味と程よい酸味を備えた味わいのある純米酒。
    冷や、常温、ぬる燗と幅広い温度帯でおいしく飲めます。
  2. < 橘倉酒造
    橘倉純米酒粕
    芳醇な新酒を搾った後に残る板状の純米酒粕。
    酒の旨味と香りが凝縮しています。長野県の米を使用。

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