三陸浜の“お袋の味”を皆さんに

皆さんお元気ですか。東日本大震災で工場、売店、会社丸ごと、従業員1名を失ってはや3年になります。再起不能かと思われたとてつもなく大きい災害でしたが、全国の皆さんの大きな支援で、また従業員の頑張りで、三陸の海の幸を使った惣菜作りを再開させることができました。

震災前、遠野産低アミロース米「ゆきおとめ」と自社のさんま千枚漬を使った冷凍寿司を2年以上の歳月をかけて開発しました。しかしほどなく震災で製造レシピや包装資材等々全部流されてしまい、震災後復活する商品の中から寿司は消えてしまいました。ところが米農家さんから「もう寿司やらな
いの？　やりましょうよ」と声がかかり、その一言で長い商品開発の日々を思い出しました。

三陸の適度に脂ののった新鮮なさんま、旨い米、条件は十分に整っている、あとはやるだけと、レシピを思い出しながら作り始めました。特製の甘酢は、前日からダシ（いか、昆布、さば節）を取り、天日塩、地元の醤油などこだわりの調味料を使います。また低アミロース米は、うるち米ともち米のあいの子、冷めてもモチモチとしておいしいお米なので、今後はさんま以外に帆立貝柱、秋鮭や鮑と組合わせるなど、新しい夢が広がります。これからも、手間ひまかけて、三陸浜のお袋の味を皆さんにお届けできるよう、そして、頂いた支援に十分に応えられるよう頑張ります。今後ともよろしくお願いいたします。

（木村商店 木村 トシ）