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カンホアの塩(ベトナム・カンホア)その1

海水、そして“水”と“カンホアの塩” 

地球が生まれたとき、生き物はいませんでした。やがて海水ができ、そこから生き物が生まれてきたと言われています。生き物ではない海水から、生き物が生まれたのです。そしてその末裔である人間の食のほとんどは、その地球上の生き物を食べることですが、生き物ではない必要な食が2つあります。“水”と“塩”です。

魚など海に生きる者たちは海水が必要ですが、陸に上がった人間は、海水そのものではなく、“水”と“塩”が“別々に”必要になりました。海水を塩の替わりに使うと、あまりに苦く、エグい。それは水の替わりに海水を飲めないことに似ています。しかし、蒸発した海水は、雲になり、雨が降り…、台所の蛇口から出てきます。また、岩塩を含め塩は無論、海水からできています。“水”と“塩”が“別々に”必要なこと。それはまるで私たちが陸に上がった生き物の証しのように思えます。今や私たちは、海水をこうして“間接的に”必要としているのです。

海水は世界中ほぼ同じ成分ですから“おいしい・まずい”はありませんが、それが“水”と“塩”になったとたんに、人間は“おいしい・まずい”と言い始めます。では、“おいしい塩”とはどういう塩でしょう。海水を濃縮すると、やがて塩ができてきます。もちろんそれはNaCl (塩化ナトリウム)だけでなく、さまざまな成分です。そしてさらに濃縮すると、徐々に海水の成分・味に近づいていきます。そのまま濃縮し切ると海水と同じになりますが、それではあまりに苦過ぎ・エグ過ぎます(私たちは陸に上がったのです!)。そこで、それらが“過ぎる”直前に母液(ニガリ)から塩を採り上げます。…「カンホアの塩」の生産地、ベトナム・カンホアではこれを“収穫”と呼んでいます。…すると、それは海水全体を感じる“海水をなめらかにしたような味”になります。それが私なりの“おいしい塩”の答えです。これを下の写真にあるタイル貼りの専用の天日塩田で日本向けに特別に作っています。それは舌でおいしいというよりも、身体が喜ぶようなおいしさです。喉が渇いたときに飲む岩清水のように。

年間を通して雨が降る日本では、昔から塩は釜で焚いて作られてきました。沖縄を含めて日本では、天日だけで塩を作るには、温室や特別な設備が必要ですが、熱帯のベトナム・カンホアでは、連日30~40℃になる乾期に、自然現象に近い露地で塩を作ることができます。燃料も使わず天日だけなので、ゆっくりとゆっくりと塩が結晶していきます。こうしてでき上がった大粒の結晶を石臼で挽き、溶けやすいよう細かくしたものが「石臼挽き」。そして、この「石臼挽き」を、ベトナムの古都フエに古くから伝わる専用の石窯で600℃で焼いたものが「石窯 焼塩」です。サラサラで振りやすいだけでなく、味も一段と柔らかくデリケートに仕上がっています。ぜひ一度お試しを。  

(カンホアの塩 下条剛史)



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