水俣病を起こした汚染により海を奪われた漁師は、農薬を使わずに甘夏みかん栽培を始めました。「からたち」は、その想いを大切に、甘夏や甘夏を使った加工品の販売を通して、水俣の現在を伝える活動を行っています。
「人生に水俣のページがあってもいいかな」と、1年の予定で京都からやってきた私の両親。杉本栄子さん・雄さん一家との出会いにより移住を決意し、今年で水俣での暮らしは48年目を迎えた。
いわし漁を営んでいた杉本さんは当時、水俣病の裁判をしていた。私は、杉本さんが用意してくれた家で育った。そして、今は亡きご両親からバトンを受けた杉本肇さん、杉本実さんは、今もいわし漁をしながら無農薬の甘夏を作っている。
杉本さんたちが栽培する無農薬の甘夏を販売している私たちも、両親からバトンを受け取った。
バトンを受け取った者同士、これからも水俣でしっかり生きていきたい。
(からたち 大澤 菜穂子)
2022年『life』220号
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