かめくら(京都府亀岡市)

京漬物の「かめくら」は2007年10月に京都府亀岡市で開業し、今年でちょうど10年を迎えます。代表である私は、15歳から丁稚(で っち)奉公に入り、以来17年間、職人として京のおばんざい(お惣菜)と漬物の製造に携わってきました。
京のおばんさいの製造では、240年を超える老舗調理旅館の総料理長を務められた方から、包丁使い、調味の基本知識を。お漬物製造では、千枚漬、すぐき漬け、ぬか漬け、奈良漬、しば漬け、沢庵漬けなど、たくさんの職人から技術を盗み学びました。そんなある時、女将さんから「お漬物のお客さんが離れていってる、何とかこのお漬物離れを回避できないか」と相談を受け、新商品開発を進めるようになり、浅漬けの新商品を毎月1品、2品、季節商品も含め提案していくようになりました。ところがそうした努力にもかかわらず、勤めていたその老舗漬物店は業績悪化から倒産・廃業となり、職を失うこととなりました。しかし、職人たちと話し合い、続けられるなら「僕たちがやりたいことを存分に生かせられるお漬物店を開業したい」と「かめくら」を開業したのです。
開業にあたり職人時代からの自分のスタイルを大切にして、現在も続けています。それは、
①塩、重石をしっかりとが漬物の基本。伝統京漬物を!!
②化学調味料、保存料、合成着色料は使用しない
③手間暇を惜しまない
④喜んでもらえる物を造る
⑤伝統を守りながらも創意工夫する
私たちは、伝統を守るためには、新しいことに挑戦することが大切だと考えています。食べていただいた人に驚きを与え、食卓で会話になるようなお漬物を開発する事から、創作漬物、季節のお漬物にも力を入れてきました。フルーツなど、これまでお漬物にされなかった素材で提案し、皆さまからの良い評価を得て、メディアからもたくさんの取材をいただけるようになりました。

今回お届けする「無着色福神漬」は、一般に多用されている化学調味料、合成着色料、合成保存料などの添加物を一切使用せず、醤油、発酵調味料だけでしあげました。原材料の下漬けの段階で塩漬、重石はしっかりと行うことで歯切れの良さを出し、薄くてもいけない、濃くてもいけない、福神漬独特の甘辛さのバランスをとることに苦労した逸品です。
是非、お試しください。
( かめくら 西村 貴之)
2017年『life』270号
かめくら
無着色福神漬
国産原料を無着色で
福神漬けに仕上げました。
かめくら
ピリ辛きゅうり
ごはんのおかずに、お酒の肴におすすめ。
国産のきゅうりと唐辛子使用。
かめくらの皆さん