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岩泉産業開発(岩手県岩泉町)

「森と水のシンフォニー」岩泉町、そして、地域の復興に向けて

日本三大鍾乳洞の一つ、龍泉洞で知られる岩泉町は、岩手県北東部に位置します。本州一広い面積を持ち、広大な森に囲まれたこの町は豊かな湧水に恵まれ、「龍泉洞の水」はその象徴として皆さまに愛されています。湧水は町内最大の河川である小本川などに集まり、岩泉町の東端、小本浜などで太平洋に注ぎます。町民にとって生活と水の距離はとても近いもので、常に沢の流れる音を聞きながら暮らしてきました。

その生活が一変したのは2016年8月30日の台風10号による災害でした。当日は私たち、岩泉産業開発の本社がある乙茂地区では、15時頃から暴風雨に襲われました。18時頃には小本川が氾濫し、本社・特産品加工場・道の駅いわいずみなどの施設が浸水し、帰宅困難な職員3名も2階に急きょ避難し、一夜を明かしました。

翌朝見えてきたのは、川沿いの地域と本社(道の駅)周辺の壊滅的な状況でした。そして、道路やインフラの寸断によって職員の安否確認にも時間がかかりました。自宅が被災した職員も居ましたが、幸いなことに全職員の命の無事が確認できました。

次に気がかりなことは龍泉洞で、この洪水によって轟々と龍泉洞から溢れだす水の勢いは衝撃的でした。ただ一つ救いだったのは、「龍泉洞の水」充填施設の被害が軽微だったことです。その後は、被災した職員は自宅の片付けを行い、動ける職員は会社施設の片付け・復旧作業や、できる事から営業再開に向けた取り組みを始めました。

あっという間に1カ月が経ち、龍泉洞の増水も収まり、透明度も元に戻りました。期待を込めた水質検査も合格。おかげさまで、10月7日に「龍泉洞の水」の生産を再開、11月1日には、道の駅いわいずみも一部営業を再開しました。

今回の災害で、岩泉町では19名の方が命を失い、現在も2名の方が行方不明となっています。さらに、200人以上の方が避難生活を余儀なくされ、住宅の片付けや仮設住宅の建設なども含め被害総額は400億円超と、岩泉町にとっては東日本大震災の約10倍の被害額が見込まれています。

こうした中、皆さまから支援をいただき、心より感謝申し上げます。現在も至るところに台風の痕跡はありますが、森はすっかり落ち着きを取り戻しました。本格的な生活と産業の再建には時間がかかると見込まれますが、職員一丸となって「森と水のシンフォニー」岩泉町、そして地域の復興に向けて進んでまいります。

(岩泉産業開発 木村敬幸)
2017年『life』030号

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  2. < 一階上部まで浸水した本社事務所
  3. < 工場も生産を再開しました
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