NPO相馬はらがま朝市クラブ (福島県相馬市)
もの作りで地域を取り戻したい
震災・津波により大きな被害を受けた水産の町・福島県相馬市において、震災後の5 月に「相馬はらがま朝市クラブ」を立ち上げ、皆が集まれる場所として「朝市」を開催するようになりました。当時は、本当に何もやる事がなく、無気力な人々も多く、何かをやろうとしても立ち上がる人は皆無でした。それでも根気よく水産仲間を説得し開催したところ盛り上がり、全国からの支援も集まるようになりました。その後、行政とも協力し「リヤカー海援隊」を立ち上げ、仮設住宅の買い物弱者、障がい者支援、毎日の個別訪問による孤独死防止などの活動も始めました。これにより雇用も生むことができました。
そんな活動をする一方やはり「何かを生産したい」という想いは強くありました。しかし、船はほぼ全て無事だったにも関わらず、放射能汚染により地元での漁獲はまだまだ望めない状況です。おそらく今後も…。それでも何とか仕事とやりがいを作るため、昨年の3月に水産加工場を立ち上げ、県外からの原料を使った加工品作りに取り組むようになりました。各地から原料だけでなく技術や加工法も教えてもらい、それに相馬の食文化も取り入れていきます。
今後も長い戦いになるのは必至です。津波で財産を失い、放射能で仕事を失った私たちが自立するには、ものを作る意欲、達成感、責任感、喜びが必要なのです。
(NPO 相馬はらがま朝市クラブ 高橋 永真)