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エコネットみなまた(熊本県水俣市)

水俣病公式確認から60年。
水俣病を繰り返さない世の中を作ることが私たち一人一人の責務



2016年の5月1日で水俣病公式確認から60年を迎える。認定患者は2,271人(すでに7割近くの方が亡くなっている)。政府解決策や水俣病特別措置法対象者で被害申請を行った人が約65000人。加え、今だ手を挙げてない被害者、名乗り出ることのできない人を入れると、かなりの数の人が現在も水俣病の症状も持ちながら暮らしている。母体内で被害を受けた胎児性水俣病の患者も60歳を越え、急速な身体の衰えや介護問題などさまざまな問題に直面している。2013年水俣で開催された国際水銀会議時に「水俣病を克服した」と発言した安倍総理からもわかるように、ここらあたりで水俣病から幕引きをしたい政府の黒影も見え隠れする中、今日も数多くの人が水俣病で苦しみ、納得のいく解決策には至っていないのが現状である。

私たちが水俣で、無農薬甘夏みかんの栽培・販売を始めたのは約40年前。自身がすでに毒(水銀)に冒されているからこれ以上毒(農薬)は使わない、と強い決意をした元漁師でもある甘夏みかん生産者の患者との出会いから始まった。それ以来、水俣の柑橘やちりめんやアオサなどの海産物、そして廃油からつくった石けんを全国にお送りしてきた。

2015年12月、縁あって農水産部門の「はんのうれん」とせっけん部門「せっけん工場」は市街地にある新社屋へ移転した。手狭だった以前の場所に比べ、新社屋はかなり広い作業場となった。元会社の寮ということで、29部屋の個室もあり、将来的には水俣に来る人たちの研修の受入などができたらと夢を広げている。

今回、この広い建物を利用して、新たに小さな「ジュース工場」を併設した。無農薬みかんの価値、生産者の苦労を知っているからこそ、規格外でも最後の1 玉まで使いたい。長年描き続けた想いが少しずつ形となり歩み始めた。今回皆さんにお届けする100% 甘夏みかんジュースは、皮の苦味を出さず果実のみ搾汁し果実のおいしさを凝縮した。大量生産はできないが、1 玉1 玉丁寧に、生産者と自然が1年かけて作りだした甘夏みかんを最後まで大切に使わせてもらっている。

私たちは水俣病被害者や障がい者、困難を抱えている人たちと共に働く社会的事業所を目指していて、新社屋移転に伴い新しい仲間が3名加わった。競争ではなく共助の社会を目標に、新しい土地で新しいメンバーと新たな一歩を踏み出している。

私はふと思うことがある。どうしたら水俣病で亡くなっていった患者、そして今なお苦しんでいる方々が報われるだろうかと。それは、水俣病事件の経験から、水俣病を繰り返さない世の中を作ることに私たち1人ひとりが尽力する以外にないのではないか。今なおこの日本に点在する水俣病事件の構図を持つ社会問題に、私たちがどう向き合うかが問われている。

( エコネットみなまた 大澤 菜穂子)

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  2. < 甘夏特有の程よい苦みと甘み さわやかな酸味でスッキリ

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