互楽会


私たちごらくは、障がいの有無に関わらず相互扶助の精神で、楽しく共に働く(共働)を理念に掲げ、1995年に大阪市平野区で設立されました。設立当時、「障がい福祉業界」ではパン・クッキーの製造が広がっていましたが、全国的にも珍しい「おかき・あられ」の製造卸を主軸に活動を開始しました。
その後、障がい福祉制度は大きく変化し、ごらくも「就労継続支援B型事業所」として紆余曲折ありながら活動を続けましたが、2019年3月、残念ながら25年にわたる米菓事業を閉鎖。2020年3月、慣れ親しんだ平野区を離れ、新たな活動拠点として此花区へ移転し、新生ごらくとして再出発することとなりました。
移転して新たな出会いもあり、現在ごらくは11名のメンバーと「共働」の汗を流しています。メンバーは10代~80代と幅広く、80代の方は設立直後からのメンバーさんです。また、通所が困難な方もおられ、在宅での作業も含めて自分に合った働き方でやりがいや生きがいを感じながら、菓子製造や牛乳パックを用いた紙漉き商品の製造などを行っています。
新たな出会いのなかで感じていることは、生きづらさを感じ社会に出るのが困難な10代の方のご相談が多いことです。義務教育を終えた後にさまざまな問題が生じる10代の方も多く、なかには長年引きこもりの生活が続いている方もおられます。また、8050(7040)問題も大きく、ごらくのメンバーも直面しています。ご本人が安心して関われる場所やサポーターと巡り会うことができれば、新たな世界も見えてきます。ごらくでは、本人主体の人生にそっと寄り添うようなサポートができればと思っています。
地域のなかには、障がい者やそのご家族に対し必要な援助や情報提供を行う総合相談窓口として「基幹相談支援センター」があります。しかし、まだまだ認知度が低く、しかも設置は義務ではなく市町村の任意のため、設置している自治体が少ないのが現状です。そんななか、ごらくは商店街の中という立地もあり相談に来られる方も多く、相談内容に合わせて基幹相談支援センターやその他の関係機関につなぐという役割も果たしています。また、ヘルプマークの啓蒙活動、SGDsの紹介を行うなどさまざまな情報発信のほか、地域の子ども食堂や集会所で行われている高齢者のふれあい喫茶へお菓子の提供もしています。今後の取り組みとして、紙漉きのワークショップなども計画しています。
これからもごらくは、単なる福祉の事業所ではなく地域の社会資源の一つとして架け橋となり、人と人が支え合い安心して暮らせる社会を目指し、さまざまな活動を行っていきたいと思います。

(互楽会 植野加代)
2021年『Life』400号

スタッフの皆さん
互楽会
ごませんべい
国産小麦に有機の黒ごまと白ごまを混ぜて、米油でカリッと揚げました。香ばしい風味がクセになる美味しさ。
互楽会
白玉麩ラスク(キャラメル味)
北海道産小麦で作った口どけの良い白玉麩によつ葉バターときび糖で作ったキャラメルソースをからめました。