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福栄 (鳥取県境港市)その2

イカ・カニの歴史的高騰に悩まされた1年でした

【紅ズワイガニ】
鳥取県境港で水揚げする紅ズワイガニ漁船は計11隻。35年前と比べると3分の1以下に減りました。資源保護のため、9年前より船の大きさなどで漁獲量の上限が船ごとに割り振られるようになりました。例えば、私たちの自社船・第55吉丸は年間900トンです。2年前までは各船とも上限枠をほぼ100% 消化していましたが、昨年度は漁獲量が減り過半数の船が上限枠に満たないまま漁期が終わりました。その影響で相場が高騰し、昨年度は史上最高値の相場となり、紅ズワイガニの加工場は悲鳴を上げた1年でした。

そしてこの9月より新漁期がスタートしましたが、各船とも悪かった昨年よりさらに水揚げ量が2~3割減となっているのが現状です。当然相場は高かった昨年を上回り、さらなる高騰が続いています。その影響で境港の加工場では、止むを得ず値上げした上で取引先を限定、もしくは取引数量を調整、さらには取引休止というような事態が発生しています。こうした事態は漁師さんたちにとっては相場が高くて喜んではいるものの、水揚げ量の減少、将来の資源に対する不安があります。そして、加工部門にとっては、相場高騰で値上げに踏み切らざるを得ず、現状に苦悩しているところです。

【ムラサキイカ】
自社のイカ釣り漁船(第2・第88吉丸)の1年の操業サイクルは1~2月(冬漁)と5~7月(夏漁)は太平洋でムラサキイカ(アカイカ)漁を、8~12月は日本海でスルメイカ(真イカ)漁をおこないます。
ところがムラサキイカ漁は、昨年から魚群の反応が悪く、今年の冬漁は1隻も出漁できませんでした。さらに夏漁も水揚げ量が昨夏より1?2割減少したこともあり、相場価格は昨年より3~5割上昇しています。

【スルメイカ】
そして何と言っても今年一番驚愕した出来事は、スルメイカの過去に例のない歴史的高騰です。吉丸も漁獲する船凍スルメイカ(刺身などの加工原料)は、8月末より新物の入札が始まるのですが、今年は昨年の平均相場を5割以上も上回る価格でスタートしました。いずれ下落するだろうとの予想に反して日に日に価格は上昇し、11月中旬現在、昨年の2倍、5年前の3倍です。高騰の最大の原因は北海道沿岸および太平洋側での過去に例を見ないほどの大不漁です。この大不漁によって八戸では工場閉鎖に追い込まれたイカ加工メーカーもあると言われています。

私たちは所有船があるので原料確保は大丈夫ですが、このような相場では納価の設定がままならない状況で、商品によっては休止や値上げをお願いしているところです。

日本全国でいろいろな加工を施され、皆さまに食されているイカが、来年は豊漁とはいかないまでも、ある程度水揚げ量が回復することを切に願っています。

(福栄 岩田謙二郎)
2017年『life』010号

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