マリオさんは元々スリランカでスパイスを手がける会社を運営していて、マリオさんの会社と私たち第3世界ショップは共に創業約30年、ほぼ同じ年生まれです。お付き合いが始まったのは約25年前、マリオさんがスパイスの貿易で来日されていたときでした。ほどなくして、スリランカにはない日本の“カレールゥ”の存在を知り、そこからヒントを得て「カレーの壺」の開発を始めました。スリランカカレーの魅力を残したまま、日本人にも喜んで食べてもらえる味の開発は、お互いの文化の違いもあり、試行錯誤の連続でした。品質が安定するまで時間がかかりましたが、お互い知恵を出し合い、切磋琢磨して問題を解決して完成したのが現在の「カレーの壺」です。
その後、スリランカにも大きな被害をもたらした2004年のスマトラ島沖大地震の際は、マリオさん製品のキャンペーンを行い、売り上げの一部をマリオさんが行っていた津波復興活動に当てました。一方、東日本大震災の時には、マリオさんが被災者向けに約2000食分のカレーの壺を送ってくれました。このように「カレーの壺」にまつわるさまざまなエピソードは、マリオさんと私たちとの絆を物語っています。
マリオさんは、日本ではできるだけ多くの方と交流したいという思いがあり、今年3月には次男のシェランさんが来日し、「カレーの壺」を使ったスリランカカレーの料理教室をよつ葉の会員の皆さんと開催することができました。当日はカレー好き、辛いもの好き、またフェアトレードに興味がある方など、さまざまな皆さんが集まっていろいろなお話しができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。
今回の料理教室ではマリオさん自身、真剣なまなざしを向けてくださる皆さんの姿に感激し、終わってみれば当初の予定の2倍以上のレシピが出来上がりました。マリオさんは、「カレーの壺」のおいしさ、便利さをできるだけ伝えたかったし、皆さんに喜んで食べていただくことができて大変うれしかったと言っていました。
「カレーの壺」は調味料として味のベースに使い、カレーライスはもちろん、カレー味のおかずも作ることができます。さらに、煮込む必要もないので時間をかけず、本格的なスリランカカレーの味わいがお楽しみいただけます。何より、1瓶で約22皿分使えますので、経済的です。今回、これまでの「スパイシー」「マイルド」に加えて、新しく「ミディアム」が仲間入りしました。辛さは中辛くらいで、レモングラスとトマトをたっぷり使用し、トマトやシーフードと相性がいい配合になっています。ぜひ、味の違いや調理のアレンジなどお楽しみください。
これからも私たち第3世界ショップは、生産者と顔の見える関係を大事にし、そのつながりを商品を通して会員の皆さんにもお届けしたいと思っています。
(第3世界ショップ 鈴木 あゆみ)
2018年『life』180号
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