1988年、都会を離れ、田舎でワイン造りに携わりたいという思いから、友人のアントニオとともに立ち上げたコルテ・ダイボ。私たちの選んだ土地が、アイボと呼ばれる地域の、かつては動物たちが水を飲みにやってくる庭のような場所(コルテ)だったことから、社名を「コルテ・ダイボ」と名づけ、ブドウ栽培・ワイン製造・アグリツーリズモ(宿泊施設)・レストランを営んでいます。創業当初は、高品質のワインを作るという目的で、有機にそれほどこだわりはなかったのですが、私たちの土地が州立公園に指定されたこと、また、活動を続ける中で、高品質ワインの条件が、ぶどうの木が健康であること、そのためには土地・土壌が健康であること、そしてそこで暮らす家族が健康に暮らすこと、とつながっていき、現在まで約30年間有機栽培を続けています。そして、よつ葉の皆さんにワインをお届けするようになって10年、今年の4月に初めて日本を訪れることができました。
最初の数日間は東京に滞在し、街の美しさと、私たちの国との文化の違いに衝撃を受けました。そしてその衝撃は、関西に移動してさらに大きくなりました。飯尾醸造の見学で訪れた棚田の美しさ、放っておけば廃退していく一方だった場所に息を吹き込み、村を再生しようとする取り組みには感銘を受けました。山名酒造では日本酒の利き酒をしました。ワイン造りとは異なるプロセスでお酒が出来上がっていく様子はとても興味深く、そして絞り粕(酒粕)がこんなにおいしいなんて!
よつ葉とつながりのある生産者を訪問したり、会員さんやスタッフのみなさんと話しをする中で感じたことは、よつ葉は単に“物”だけを見ているのではなく、どのようなプロセスで、どのような思いでそれが生み出されるのかを見ているということです。エシカル、情熱、環境に配慮した持続可能な物づくり、こういったことが、よつ葉の生産者に共通する基本的な考え方ではないか、少なくとも私たちコルテ・ダイボが日々働く上で、大切にしていることと同じです。だからこそ、今日までずっと、よつ葉との付き合いが続いているのではないかと思いました。
帰国してはや2ヶ月が経ちましたが、日本の素晴らしい場所、素晴らしい人々、そしておいしい食事(ファンタスティック!)は今でも鮮明に記憶に残っているし、またいつか訪ねる事ができたらと思っています。10日間の短い滞在でしたが、本当に楽しかった。どうもありがとう!
( マリオ・ピロンディニ、クリスティーナ・カプリ)
2017年『life』300号
(よつ葉スタッフ)
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