千葉産直サービス(千葉県千葉市)その3

今回は、千葉産直サービスの冬の人気商品「鴨鍋セット」で使われている八甲鴨について少し詳しくご紹介します。
まず、知っていただきたいのが品種の違いです。日本で多く流通している鴨は合鴨で、英国で誕生した「チェリバレー種」と呼ばれる、アヒルとマガモを掛け合わせた交雑品種がほとんどです。これに対し、私たちの「八甲鴨」は、「バルバリー種」というフランスではポピュラーで歴史ある品種です。
この純血種のバルバリー種をフランスから輸入し、採卵孵化から一貫した飼育、加工までを国内で唯一しているのが青森のジャパンフォアグラ社です。同社は、年に1〜2回、フランスの認定育種企業から種鴨のヒナを輸入し、卵を産む親鴨になるまで育て、産まれた卵を自社で孵化します。そうして生まれたヒナを、津軽半島と八甲田山の北麓、2つのエリアにある6つの自社農場で飼育しています。
美味しい鴨肉を作るためには、ストレスを与えない健康に育つ環境作りがもっとも大切です。平飼い開放型の鶏舎に、坪あたり約15〜16羽と余裕のある飼育面積で飼養しており、飼料には穀類中心で、イネ科のマイロなどに大豆粕や玄米、魚粉などを加え、日本人好みの柔らかい肉質に仕上げるよう独自ブレンドしたものを与えています。また、鴨は成長しすぎると肉が硬くなってしまうため、飼育日数は最長でメスは74日、オスは86日を目安に定めています。抗生物質は鳥インフルエンザ対策に初生ヒナのみの使用で、それ以外の飼育期間は使わずに健康的な鴨生産に努力されております(但し、種鴨には病気発生時に使用有)。
ジャパンフォアグラ社の創業者、桑原孝好氏はフランス料理人として日本の西洋料理界の重鎮のひとりで、まだ日本にフランス料理店が数えるほどしかなかった1960年代に料理人としてフランスへ渡り修業を積むなかで、フランス鴨に魅了されて帰国しました。ところが、当時の日本では鴨といえば国産の合鴨(チェリバレー種)が主で、バルバリー種の新鮮なものは入手できませんでした。そこで、自らフランス政府に掛け合い、門外不出と言われたこの鴨のために、日本で初めて種鴨を輸入し、産卵から孵化、育成し、出荷することを許されたのです。
こうして生まれた青森育ちの八甲鴨は、肉の旨味が濃く、香りは穏やか。日本人の舌に合うようにその肉質は柔らかく仕上がるようにしているので、フランス料理はもちろん、繊細なだしを使う和食とも相性が良いのが特徴です。
「この鴨肉を使って本当に美味しい鴨鍋をつくろう」という思いで開発したのが、私たちの「鴨鍋セット」です。自社で鴨鍋専用の鴨つくねとスープをつくるところから始め、20年食べ継がれても飽きない味を目指しました。

おかげさまで「今まで鴨は苦手だったけど、この鴨なら好き」「我が家の年末年始の定番鍋」などの有難い声を多くいただくようにもなりました。ぜひ、お試しください。
(千葉産直サービス 冨田正和)
2021年『Life』470号
※「八甲鴨」は千葉産直サービスの登録商標です。

鴨飼育舎(生後30日程)

千葉産直サービス
鴨鍋セット・小
2~3人前(ロース肉200g×1P、鴨つくね150g×1P、スープ200g×1P)
青森産バルバリー種を使った鴨鍋セット。
ロース肉に加え、自家製の鴨つくねと鍋スープつき。
千葉産直サービス
鴨鍋セット・大
4~5人前(モモ肉200g×1P、ロース肉200g×1P、鴨つくね150g×2P、スープ200g×2P)
家族で囲める徳用サイズ