愛農流通センター(愛知県豊田市)

愛農流通センターは農業を愛する農家が作った組織です。今から40年前に、農家が愛知県の中山間の村から町の消費者のもとへ直接農産物を持って行き、買っていただく…その当時では珍しい取り組みでした。
なぜ、農家が直接消費者に届けるようになったのか…それは、農家が安心安全な農畜産物を育てても、一般流通には受け入れられなかったからです。しかし、愛農を支える消費者の皆さんは安心安全な食べものがほしいとの思いが強く、お互いの思いがつながることで「産直」が成り立ちました。
今では産直事業だけでなく、仲間が作った農畜産物を加工する施設や、さらに直営農場も2カ所あります。農場は、卵を生産する養鶏場で、後継者のいない農家の仕事を会社として引き受け、社員とともに生産しています。非遺伝子組み換え飼料に季節に合わせてお米や魚粉などを自家配合して与え、開放鶏舎でケージ飼いしています。抗生物質は大雛以降一切使用せずに健康な鶏を育てて、少しでも安全でおいしい卵を生産し、そのこだわり卵を使った『よつ葉のマヨネーズ』をよつ葉の皆さんと一緒に作っています。他にも農薬化学肥料不使用の愛知県産レモンのB品をひとつひとつ手絞りした瓶詰めレモン果汁や、有機の茶葉を使ったお茶漬けの素など、愛農の農畜産物を原料にいろいろな加工食品も製造企画開発しています。その考え方の基本は、安易に安い海外原料を使用したり、いろいろな添加物でごまかしたりしないこと。そして、私たちが大切にしている農畜産物の「本来あるべき姿を伝え、届ける」ことです。日本の食料自給率は37%にまで下がり、この先も農家人口は減少してしまいますが、少しでも日本の農業・食料を守れるよう今後も努力していきます。
私たちの身体を支えているのは食べ物です。その大切な食べ物を通して、安心して暮らせ持続できる世の中にしたいと願います。ですから、愛農はただ安全な商品をお届けするだけではなく、「顔と顔の見える関係」を大切にして、土を愛する生産者と消費者をつなぐ輪を広げたいと思っています。
日本は豊かになり便利な世の中になりましたが、その代償として多くの大切なもの

もなくしてしまっています。便利さや見た目、流通を中心とした食品が多く、食の安全性を大事にする消費者の思いが後回しにされるなか、本物・本来の食がわかったうえで豊かな暮らしを創造できる会社になりたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします。
(愛農流通センター 江端貴)
2020年『Life』70号

エスエスケイフーズ
よつ葉のマヨネーズ
よつ葉の菜種油、国内産りんご酢、
愛農の直営農場で育てた鶏の卵を使用。
東京フード
本物茶葉のお茶漬けの素
添加物はもちろん、酵母エキスも不使用。
ふりかけとしても使えます。