良い土、良い草、良い牛、良いミルク
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宇野牧場は、北海道の最北端の稚内市にほど近い天塩町にあります。牛は寒さに強く暑さに弱い動物ですので、夏は冷涼な気候の天塩町は、実は牛にとって最適な気候なのです。日本海の潮風と、雄大な野山に囲まれた、厳しくも自然の恵みに溢れたこの地で放牧酪農をしています。
私たちが一番大切にしている事は、「良いミルクは良い牛から。良い牛は良い草から。そして良い草は良い土から」です。つまり、“土・草・牛づくり”です。
宇野牧場が考える“良い土”とは、昆虫や微生物が住んでいる土です。生き物は本能で良いものしか食べませんし、良い環境の所にしか住みつきません。畑で牛が糞をすると、悪い土の上では昆虫や微生物がほとんどいないため、2〜3カ月たっても分解されませんが、宇野牧場は3週間もたたずに分解されます。微生物がどれほどいるのかは数値で出すことができるのですが、日本の土で100万という数値がでれば良い土とされる中、宇野牧場の土は約200万という数値です。私たちの土作りは、化学肥料を使わず堆肥を完熟化させてから畑に散布することが基本です。
次に“良い草”です。まず、牧場が海沿いに位置しているので、ミネラル豊富な潮風を受けて美味しい草が育ちます。加えて私たちは、牛が好んで食べる糖度やたんぱく質の高いペレニアルライグラスという草を基本にさまざまな草を植えています。草はそれぞれ成分に違いがあるため、牛は自分に足りない成分を補うためにさまざまな草を食べるのです。
そして“良い牛”です。何十年という土づくりと草づくりがあってはじめて良い牛が育ちます。乳量を求めるのではなく、いかに健康な牛にするかを考え、健康な牛だからこそ美味しいミルクになります。
宇野牧場では、良い素材を新鮮なうちに加工するために、牧場内に工場を作りその日搾ったミルクを使って製品を製造しています。夏は放牧により青草の風味がある甘いミルクを、冬は貯蔵飼料(発酵させた草)を与えることで濃厚なミルクを搾ることができます。牛が食べる餌によってミルクの味が変わることを多くの方に知って欲しいという思いで、搾りたての生乳の味を生かした製品を作っています。
「トロケッテ・ウーノ」は、酪農家の家庭では当たり前に作られる牛乳豆腐という家庭料理が元になっています。牛乳豆腐とは、搾ったばかりのミルクを温め酢を入れて、水分をきってお豆腐のように固めたもので、カッテージチーズに似ています。チーズやヨーグルトもミルクの味を感じることができますが、牛乳豆腐は「搾りたてのミルク」の味わいを感じることができます。この牛乳豆腐をもっと滑らかにして、もっと味わいを実感できるようにしたものがトロケッテ・ウーノです。酪農家のミルクの味わい方、そして「北海道の天塩の宇
野牧場でしか出せないミルクの味」を是非味わっていただきたいと思います。
(宇野牧場 宇野剛司)
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ミルクを味わう濃厚スイーツ |
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