大切な人に食べさせたいと思えるものを作る、
その喜びを噛みしめながら
 〜津乃吉の代表に就いて


津乃吉は、皆さまとの出会いを大切にするため、店頭販売にも力を入れていきたいと思っています。お近くにお越しの際は、是非お立ち寄りください。

※詳しくはこちらから
京都市東山区田中町新宮川筋五条上る田中町 507番地(京阪本線「清水五条」駅下車徒歩2分)

津乃吉


(京都市東山区)




海・島・里からの便り
2016年
『life440号』






 
 津乃吉で仕事をするようになって5年、「まだ、早いのでは?」というお声も頂いておりますが、このタイミングで責任のある立場を任して頂いたことへの感謝と、責務の重大さを痛感しながら、このたび津乃吉の代表取締役社長としてのスタートを切りました。
 津乃吉は、実際には家族でやっている小さな会社ですので、やることが急に大きく変わるわけではありません。しかし、今まで以上に広い目で、いろいろなことに配慮し、自分の判断、言動に責任をもって行動していこうと思っております。
 現在の津乃吉の経営状態は楽ではありません。正直に言えば、非常に厳しい状況です。ただ、そんな厳しいの中でも、「希望」そして「わくわく」、「楽しさ」を感じながら仕事ができています。そしてこれは、何かプラスに働くのではないかと感じております。自分自身が共感できる理念を掲げ、自分自身が食べたい、買いたいと思える商品を作っていること、そんな会社で働けていること、そしてその会社の社長として自分の人生を歩んでいけること、そのことに素直に喜びを感じております。その喜びを、商品の中に詰め込んで、あるいは出会いの中で皆さんに伝えていくことが、私、そして津乃吉のやるべきこと、使命だと思っております。
 ここ数年、食に対する関心が少しずつ高まり、自分が食べるものについて、基準を持っている方も増えてきたように思います。その中で、「無添加」や「オーガニック」といった言葉も多く見かけるようになりました。それは私たちにとって、嬉しい反面、「謳い文句」として独り歩きを始めるのでは、との懸念も感じています。「安心・安全」はもちろん大切です。添加物や自分がよく分かっていないものは使わない…それはごく当たり前のこと。でも、無添加やオーガニックであってもおいしくない、そういうものは作りたくありません。やっぱりおいしいものが作りたい!!
 だから、津乃吉では素材を愛おしみ、調味料を愛おしみ、「おいしくなれ、おいしくなれ」と唱えながらものを作る。大切な人に食べさせたいと思えるものを作る。これからも、そんな津乃吉であり続けたいと思っております。今までの理念は変えることなく、決して自己満足になることなく、チーム津乃吉、全員の知恵を集結し、皆さまにハッピーをもたらす商品を生み出せるよう、努力と勉強を続けていきたいと思います。先代が長年築いてきた皆さまとの関係を大切に、更に私自身が少しずつでも積み上げていきたいと願っています。 

津乃吉 吉田 大輔)

 

ちりめん本来の旨みを生かしました
津乃吉
柚子ちりめん
天日干しの熊本産柚子の皮を使用。
ちりめんの旨みと柚子の香りの相性抜群。



芳醇なごぼうの香り
ふっくら炊いています
津乃吉
ごぼう味噌
芳醇なごぼうの香りに、はたけしめじ、丹波黒鶏のスープをたっぷり使った、贅沢なおかず味噌です。
津乃吉
丹波黒豆煮
丹波篠山産の黒大豆を天日干しにし、釜で炊き上げました。

津乃吉

 (京都府京都市)


伝統的な和食を残し続ける一助になりたい

 



津乃吉の商品を生み出す「だし」

 昨年、日本の伝統的文化である和食がユネスコの世界遺産に登録されました。津乃吉の原点である“だし”を取ること、そしてそこから始まる佃煮作りも少しは注目してもらえるのでは?と淡い期待を持っています。
 “だし”を効かせることで余分な塩分や糖分を控えられる伝統的な和の味付けは、今やあまり行われていないように思います。ましてやその残った調味液を元にして、次々と違う商品が生まれてくる津乃吉独自の製法はかなりユニークです。しかし、実は多くの方に真似てほしいと思っています。


じゃこと山椒を混ぜ合わせる

 手間もコストもかかる昔ながらの製法で作られた調味料を使わせて頂くのに、最後の一滴まで使い切らないと申し訳ない・・・という想いからその製法は生まれました。「山椒じゃこ」の製造→じゃこを漬け込んだ後の調味液を使った佃煮や「京だし」→「京だし」の製造過程で出るだし殻から作る「かつお味噌」・・・こうしてできる津乃吉商品は薄味ながら素材の味を充分楽しめます。


吉田さん夫妻

 世の中あと20年もすれば、本当の食糧難の時代に突入するに違いありません。その時、日本人が心おきなく食べられるのは100%自給可能なお米を中心にした和食。それだけに、津乃吉が作るご飯の友“佃煮”が見直される時は必ず来る。そんな自負を持って今日も佃煮を作っています。

 

(津乃吉 吉田 和親)


 

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