食を通した国際交流を大切に
「ぷるんぷあん」のことをもっと伝えたい
トレテス

(兵庫県宝塚市)

 




海・島・里からの便り
2016年
『life120号』

 


加工場の女性たち

 株式会社トレテスが、乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」の販売を開始したのは1994年。今年で22年目を迎えます。昨年は終戦70年の節目ということで、インドネシア残留元日本兵の望郷の思いから生まれた「ぷるんぷあん」のストーリーを紹介する機会が多くありました。特に、8月15日をまたいで10日間にわたり朝日新聞全国版に連載されたこともあり、“おいしくて、便利だから”とご愛用いただいていた方から、“新聞紙面ではじめて商品背景を知り、より愛着がわいた”とのお手紙もいただきました。改めて、商品に込められた思いを伝えることの大切さ、そして、食材を通して誰をも幸せにできるつながりの意味深さを知りました。


インドネシアの農場で働く女性たち

 今年私たちは、インドネシアに留まらず、アジア各国の人々とネットワークを築き、それぞれの国の、伝統的で思いのこもった商品をお届けしようと考えています。政治背景や国際情勢の影響もあり、それぞれの国の良さや、そこで暮らす人々の思いが、正しく伝わっていないことが多いように感じます。それぞれが互いに良く知り合うためには、まず、その国で作られた食材を食べ、食を通した交流をすることが大切だと感じています。現在、韓国、インド、スリランカとやり取りを進めています。どのような食材が生まれ、皆さんにお届けできるのかを楽しみにしていてください。
 ただトレテスの基本は、あくまでも乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」です。まだまだ、食べたことがなかったり、その背景をご存じない方も多くいらっしゃいます。今年は、改めて「ぷるんぷあん」を知っていただくことにも力を入れていきたいです。3月に入っても夜はまだまだ冷えます。「ぷるんぷあん」をまだ知らない人がいれば、“お鍋かすき焼きに入れてみて”とおすすめください。食べてもらって、“おいしかった!”と言っていただいたら、“インドネシア残留元日本兵と日本の友情の証となった商品なんだよ”とお伝えください。もっと話しを聞きたい、という方がいらっしゃったら、お呼びください。地域に足を運びお話しをいたします。そして、皆さんと交流し、その場で感じたことをインドネシアの人々に伝えていきます。トレテスは、今後もより太い「かけ橋」となるために努力を続けていきたいと思います。  

( トレテス 中川 啓)

 

数分の湯戻しで、
サラダ・炒めもの・煮物・お鍋などに
トレテス
乾燥糸こん・
ぷるんぷあん

 

無農薬・無添加・食物繊維豊富なヘルシー食材。インドネシア高地で収穫される、高品質のムカゴこんにゃく芋で作っています。



トレテス

 (兵庫県宝塚市)


インドネシアと日本をつなぐ架け橋

 

 乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」の商品名は、インドネシア語の「perempuan」に由来し、その意味は「女性」です。
 インドネシアで原料の栽培から、加工、梱包まで一貫製造されています。その製造工程の大部分は、現地の女性たちが担っています。
 平均月収が2万円に満たないインドネシアでは、雇用機会が十分にあるとは言えません。乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」を関西よつ葉連絡会を通じて、みなさまに食べていただくことが、インドネシアの女性たちの生活の支えになっています。

 工場を大規模にし、機械化すればコストは安くなるかもしれません。しかし、そうすることで女性たちの雇用は失われていきます。乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」は長年、女性たちの手仕事にこだわってきました。
 フェアトレードや社会貢献、という言葉は広まりつつありますが、具体的にどう貢献しているかをお伝えすることが、食卓と社会をつなげることになります。わたしたちは現地に足を運び、その様子をお伝えすることで「つながり」を形にしたいと思っています。
 2012年11月にインドネシアを訪問した際に工場で働くスカンティさんは「この仕事に誇りを持っている。わたしのつくった食材を日本のみなさんに“おいしい”といって食べてもらうことが喜びです」と語ってくれました。
 これからも、乾燥糸こんにゃく「ぷるんぷあん」を食べていただき、インドネシアの女性たちへ思いを馳せていただくとうれしいです。

(トレテス 中川 啓)

 

 

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