宮古の新鮮な海産物をもっと美味しく
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![]() 備長炭で焼き上げられる 新鮮な秋刀魚 |
御存じの通り、宮古には豊富な種類の美味しくて新鮮な海産物が水揚げされます。今回は皆さまお馴染みの秋の味覚=秋刀魚と、最近日本の食卓に上るようになってきたムール貝をご紹介しましょう。
秋刀魚といえば、宮古の人々は獲れたてを三枚におろして皮をひき、小骨を丁寧に取って刺身にして生姜醤油でいただきます。丼一杯の秋刀魚刺身を平らげるという強者もいるとか…産地ならではの贅沢ですね。そしてもちろん塩焼き。脂がのった秋刀魚を炭火で焼きましょう。カッカと燃え盛る炭火で香ばしく焼かれた秋刀魚から滴り落ちた脂は炭火でジュッと音を立て、モウモウと真っ白い煙となって秋刀魚にまとわりながら立ち昇ります。その煙が何とも言えない焼き魚特有の風味となります。でもご家庭の台所であの煙は大敵ですね。実は私の家でも秋刀魚は無煙焼き魚器で焼いています。しかし、煙を出さず台所を汚さないフライパン等で焼いた焼き魚の物足りなさ。…という訳で、今回お届けする『さんま焼いときました』は、頭と尻尾を切り落とし内臓を取り除いた秋刀魚を串に刺し、塩を振りモウモウと立ち昇る煙の中で職人が一串ずつ備長炭で焼き上げました。焼き上げた秋刀魚を煙の香りごと真空パックし加圧加熱殺菌。常温保存できる焼き秋刀魚の出来上がりです。この製品の特長はもう一つ、加圧加熱殺菌の工程で骨まで軟らかく仕上げてあるので、“骨ごと食べられる”という事です。小骨を気にせずお召し上がりください。
![]() 水揚げされたばかりの ムール貝 |
そして宮古湾のムール貝。宮古湾には津軽石川と閉伊川、二本の川があり、山の養分を運んで来ます。その為に貝の生育にとても適していて、宮古湾の牡蠣、そしてムール貝は他の産地の物に比べ身入りと美味しさで優れています。今回、このムール貝を商品化するにあたって、宮古湾から水揚げされたばかりのものを、一つ一つ丁寧に蝕毛を取り貝の表面の海藻などの付着物をブラシでこすって洗い流して下処理しました。とても根気と手間のかかる仕事ですが、蝕毛は食感を悪くし、付着物はムール
![]() とりもとは「就労継続支援A 型事業所」でもあります。中央の白いシャツが小幡さん |
貝の美味しさと風味を台無しにしてしまいます。“美味しい一手間”です。こうして下拵えをしたムール貝を少量の塩水と共に真空パックして、加圧加熱殺菌したものが『宮古のムール貝』です。常温で保存でき、いつでも美味しい宮古のムール貝を楽しむことができます。このままお召し上がりいただくのも良し、またパスタやパエリアの具材にも最適です。
(とりもと 小幡勉)
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とりもと(岩手県宮古市) 自慢のカレーで地域を盛り上げたい! |
![]() カレーショップ兼レトルト工場 |
私たちは知的な障がいを持つ若者たちと、岩手県の材料を使った無添加のレトルトカレーを製造しています。さらに4年前からカレー作りに必要なタマネギとニンニクの栽培に挑戦を始めました。“無添加のカレーならば野菜も無農薬無化学肥料で栽培したものを使いたい”、という想いからです。そして全国的な傾向でもありますが、遊休耕作地がこの宮古にも広がっています。その地を40アール借り上げ、草木を刈り払い、畑に戻し農作業に取り組んでいます。タマネギ、ニンニクの栽培は苗作り、定植、収穫時に多くの人手が必要となりますが、それ以外には比較的人手を必要とはしません。日々レトルトカレー製造に従事しながらでも可能です。目標はタマネギ8トン、ニンニク1トンです。まだですが、今年6月の収穫ではタマネギ4トン、ニンニク1トンでした。そして苦み辛みがマイルドで、甘味のある有機栽培のタマネギのおいしさにも驚かされました。
![]() 玉ねぎ畑にて (前列左から三人目が木幡さん) |
だんだん、私たちなりの工夫でタマネギ作りの方法を構築しつつあります。おいしい有機タマネギが安定して作れるようになれば、この方法で地域の農家の方々にも栽培
をお願いしたい。それを私たちのカレー作りに使うだけではなく、全国の皆さんに届けているこのカレーを広告塔に、この地のタマネギのブランド化が図れれば、という夢をみています。また、知識はあるが高齢化しつつある農家の皆さんを支えるマンパワーとして、就労の場を求める障がい者のみんなは大きな力となります。私たちはタマネギ作りを通して、地域の農業に新たな風が吹く先駆けになればと願います。
(とりもと 小幡 勉)