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1983年、長崎有機農業研究会が発足してから32年、常に食の安全と自然環境を大切にし、食生活の安全、健康増進に貢献することを基本理念に掲げ活動してきました。当時若かった中心メンバーも60代後半となり、次世代へのバトンタッチの時期となっています。この間、食と農に関するさまざまな社会の変化もあり、今農業に関しても多くの難題が山積みしています。
有機農業・特別栽培によって、できるだけ安全でおいしい農産物を消費者に届けたい。この15年ほどの間に有機JAS 法や有機農業推進法が制定されたことも踏まえ、私たちは他の生産団体と一緒になって南島原地域における有機農業の栽培技術の研修、自然との共生を目指した生き物調査、完熟優良堆肥の作り方など、環境に配慮した農業の研究を重ねてきました。
しかしここ数年、異常天候が当たり前のように発生する中で、そのリスクも大きく、なかなか予定通りに生産できず、注文通りのお届けができなくてお断りすることも度々で、大変申し訳なく残念な気持ちでいっぱいです。
一方で近年の大きな課題として農家の高齢化、労働力不足、農産物一般市場価格の下落があります。経済活動の一環として農業を捉えた時、世代を越えて農業経営を持続していくことの難しさが一気に吹き出してきている感じです。
私たちは8年前より近隣の耕作放棄地を借り受け、農業生産をしながら新規就農を目指す若者たちの研修を受け入れ、栽培の指導・支援を行っています。県内や遠くは関東から20〜30代の若者たちが有機農業を志して農園で働きながら研修を行っています。私たちはこういった人たちが地域に定着し、地域農業の担い手になってくれることを願っています。農業は何十年たっても日々が研さんの場です。2〜3年の研修では一人前の農家になるとは思えませんが、意欲と努力によって大きな力となってくれることを願っています。
39%まで落ち込んだ食糧自給率も上がることなく、政府の自給率向上の目標値も50%から45%に引き下げられてしまいました。そんな中でも、会員の皆さんが国内産の安全な食べ物を求めてくださることが、私たち農家の喜びであり、支えです。私たちは、消費者と生産者の結びつきを基礎に生産を絶やすことなく、作り続けていきたいと思います。
(長崎有機農業研究会 近藤正明)
長崎から届く、みずみずしい旬の野菜をどうぞ |
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