自分たちが直接つくったものを
喜んでくださる方がいることに
喜びを感じて 

なむら

南村製糖

(鹿児島県喜界町)


 




海・島・里からの便り
2015年
『life230号』



丘陵の向こうまで続く、
ゆるやかなさとうきび畑

 30年近く前、進学のため島を出た時は、もう島に住むことはないのだろうなと漠然と考えていたと思います。当時、単純に都会に憧れていたのか田舎に否定的になっていたのかは、今となってはわかりませんが。鹿児島市内の高校に通い、その後東京に出て進学、就職、結婚と20年生活しました。
 転機となったのは、娘の入学と両親の年齢、それから実家の転職でした。仕事は充実していましたが、家にいる時間をあまり作れなかったためか、娘がなかなかなついてくれませんでした。その娘が、そろそろ小学校入学。このままでよいのか?と考えました。一方、両親とも還暦となり、帰島を踏ん切るならこのタイミングしかないと決断したのです。(帰ってみたら両親ともバリバリすぎて、衝突することも多く、すこし早かったかと…。まあ、嬉しい誤算ですが)。
 もう一つの大きな理由は、今から15年程前に両親が始めた黒糖作りでした。私が島を出た時は、園芸農家(小菊栽培)を営んでいたのですが、島の特産物である黒糖を製造・販売を始めたのです。祖父が戦後、黒糖製造をしていたことがあり、ある程度ノウハウがあったのかもしれません。とはいっても、50歳を過ぎてから新しいことを始めるのは、並大抵のことではなかったと思います。ただ、いきいきと働いている両親の姿と、原料から自分がつくった商品を喜んでくれる方へ届けるという事に魅力を感じて、帰島を決意したのでした。何も言わず、ついてきてくれた横浜出身の妻には今でも感謝しています。


収穫した翌日に製糖します
 島に帰って6年が経ちました。黒糖製造を手伝い(修行?)ながら、朝夕や仕事が忙しくない時、そして休みの日には自分でもマンゴーやごまなどを栽培するという生活です。黒糖製造は、さとうきびを1日かけて収穫して、翌日1日かけて製糖し、その翌日、袋詰めや梱包・発送というのが基本的な流れで、その間に、農場の管理や植付け、また黒糖以外の商品の製造などが入ってきます。天候によってもその日の仕事が変わってくるし、人手も少ないのでなかなか大変ですが、自分たちが直接つくったものを喜んでくださる方がいるという嬉しさは、何事にもかえられません。
 将来的には、今より美味しく魅力的なものをつくり、より多くの皆さんに届けられるようにしていきたいと思います。そのためには栽培・製造、そして販売の面で課題は山積みですが、自分たちで体制や仕組みをつくることも楽しんでいきたいと思います。

(南村製糖 南村和弥)


栽培・収穫から製造まで一貫して作った純黒糖です
堅すぎず、クセのない甘さです。
原材料:さとうきび(喜界町)
南村製糖
喜界島の純黒糖粉末
南村製糖
喜界島の
純黒糖粉末
使いやすい粉末タイプ。原材料:さとうきび(喜界町)

 


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