こん としかず

今 利一

(北海道富良野市)


ジャガイモの王様=男爵、
無農薬で豊作を夢見て

海・山・里からの便り
2015年
『life90号』


 

 

 

 昨年のジャガイモは散々だった、原因は未だつかめてはいないが、つかむ気もしていない。これだから駄農たる由縁。しかし、実はこのジャガイモで、反当たり100俵を採った事がある。それはそれは凄かった、と言ってもこれを読んでいる人にはどれ程凄いかは想像つかないと思う。
 反当たり100俵というのは、100メートル×10メートルの面積で6トンの収穫ということ。その芋掘りの楽しい事、楽しい事。それが3反、すなわち30アール、合計18トン。有機のジャガイモ作りは簡単だ! これで俺も安泰、しめしめ! 本当にそう思った。しかし、それ以来、そんな夢のようなことには一度も遭遇した事はない。それどころか、収穫した1ヘクタール分を全部捨てた事が有る。倉庫の中に入れた物が腐るのでそれを「選別し乾燥し」を、何度も何度も繰り返し3月まで全部捨てた。あの時はこれで農家も「終わりか」と思い巡らした。辛うじて乗りきった。その時以来、9月前の収穫はやめにする事にした。原因は直ぐに解った、ジャガイモの最大の病気「疫病」という病気にかかった事である。それについては、収穫を遅らせる事で疫病の物を倉庫に入れる事は無くなった。
 但し根本的には、疫病の抵抗性を持った品種を選ぶことだ。しかしジャガイモの王様「男爵」は疫病の抵抗性は全く無い。もともと農薬をかけるものとして作られた品種。農薬をかけることで問題の解決を図ることができる、これが一般的。
 つまり解決する方法はある。別な品種を選ぶこと、農薬をかけること。食べる人は「男爵」を欲しがる。ジャガイモの王様は男爵とされている。みなさんが欲しがる品種を農薬をかけずに栽培したい、採った事がなければそんな夢は見ない。あの夢をもう一度! 今の所、農薬をかけずに通常普通栽培の半分の収量で甘んじているが、今に見ておれ。あの時の事を再現をして見せる、「この男爵で」! 孤軍奮闘の毎日。 

(今 利一)

 



富良野・今さんグループ
富良野のじゃが芋

男爵やマチルダ種の甘くて美味しい、じゃが芋です。


小玉だけど甘くて美味しい。
じゃが芋の味は一緒です。

富良野・今さんグループ
富良野の小玉じゃが芋

 


 

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