沖縄の県民食「くるま麩」を改良して
より美味しくなった“圧縮麩” 

かりゆし製麩

(沖縄県南風原町)



海・島・里からの便り
2015年
『life270号』


鈴なりの甘夏
一本ずつ手焼きで仕上げます

 くるま麩は、沖縄料理の定番、麩チャンプルーとして長い間、沖縄県民に愛されてきた食材です。どのようにして伝承されてきたのかは不透明な部分もありますが、食材としての歴史は意外と浅く、戦後アメリカからの小麦が大量に出回ったことをきっかけに、くるま麩が本格的に生産されるようになりました。
 製法は、基本的には一般の麩と同じです。小麦粉に水を足し生地を作り、揉み込むようにしてゆっくり何度か繰り返し洗いますと、グルテン(小麦タンパク質)と澱粉に分離することができます。その小麦グルテンにさらに小麦粉を加え焼き上げた物が麩です。別にとれた澱粉は、沖縄独特の平線香(お線香)の材料の一部として使用しており、戦後はくるま麩と平線香(お線香)の両方を作り、生計を立てていた麩屋さんも多かったそうです。
 “くるま麩”とは、横から見たときに車のタイヤの形に似ていることから、由来した名称で、全国各地で作られています。県外(本土)では煮物や鍋物汁物などに使用することの多い麩ですが、沖縄では、何と言っても麩チャンプルーなど炒め物に使うことが多いです。炒めても崩れにくいように、小麦タンパク質であるグルテン量が多く、そのため自ずと他の麩と比べて栄養価が高いことも特徴の一つです。
 沖縄でくるま麩が県民食として定着した大きな理由は、現在より流通が不便だった頃、台風の影響で野菜が不足した場合などに、安価で備蓄できるくるま麩で代用したこと、またかつては卵が高価だったためにくるま麩に卵を吸わせてかさ増しに使用したことなど、あげられます。更に最近では、全国的に健康に対する関心が高まる中で、低カロリー高タンパク質食品として特に関心を持ってもらえるようになりました。
 よつ葉にお届けしている麩の特徴は、原材料が国産の小麦粉と小麦グルテンということ、そして“圧縮麩”だということです。原材料を国産のものに変えることは、外麦(外国産小麦粉)と内麦(国内産小麦粉)の質の違いに職人たちも当初かなり苦戦をしましたが、何度か試作を繰り返す内に納得のいく商品ができるようになりました。“圧縮麩”というのは、くるま麩だとどうしても輸送途中で割れる(特に県外に送る際)ということから思いついた方法で、焼き上がったくるま麩を少し蒸らして柔らかくして圧縮します。それをもう一度軽く焼いて仕上げます。そうすることで体積も減り、割れも少なく、県外など長距離輸送もしやすくなり、更に“より美味しくなった”と言ってもらえるようになりました。
 私たちかりゆし製麩は、これからも熟練した職人たちが昔ながらの製法で一本ずつ手焼きでくるま麩を焼いていきます。

(かりゆし製麩 仲井間憲雄)


これは ぜひ
試してほしい!
麩チャンプルー
戻した時に余分な水分を
吸わないから、グルテン
のもっちり感がしっかり
残って美味しい

国産小麦と国産グル
テンで作りました。
沖縄物産企業連合
国産小麦の圧縮麩

目安時間:約30分

材料(2人分):
圧縮麩 1本、にんじん 5cm、にら 1/3把、豚肉 150g、卵 2個、油 適量
(A)しょう油・酒 各小さじ1
圧縮麩は水で戻し、食べやすい大きさに切り、水気をしっかりしぼり、溶き卵にからめる。
2 にんじんは短冊に切りさっと茹でておく。にら・豚肉は5cmに切る。
3 フライパンに油を入れ熱し、@を軽く炒め、別皿にとる。
4 フライパンに油を入れ熱し、豚肉、にんじんを炒め、Bとにらを加え炒め(A)を回しかける。

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