かめびし

(香川県東かがわ市)


二百年以上の伝統製法を繋いでゆく

 

 かめびしは香川県の東端、引田という瀬戸内海に面した小さな町で、宝暦三年(1753年)の創業からニ百数十年、醤油造り一筋に歩んでまいりました。 
 醤油造りに必要なのは大豆、小麦、塩だけです。たったこれだけの材料なのでごまかしはききません。私たちは美味しさと安全性への追求から、製法だけでなく原材料にもこだわり、国内産丸大豆、「さぬきの夢2009」という地元・香川県産の小麦、天日塩を使っています。
 創業から頑なに守り続けてきた「むしろ麹製法」。14段の筵(むしろ)の上に麹を広げ、寝ずの番をしながら丁寧に、丁寧に麹を育てる。その風景は今もなんら変わることなく続いています。
 こうして大事に育てた麹を、築数百年は経つ醸造蔵の杉桶に仕込み、丸2年、丸3年、時には10年、20年もの歳月をかけてもろ味を熟成させます。古い蔵には約230種類もの独自の酵母菌が棲みついており、この微生物の力で大豆の旨みがゆっくり引き出されてゆくのです。人間にできるのはほんのわずかな手助けだけ…。かめびしの味は、こだわりの素材とまっとうな仕事、そして自然の力によって受け継がれています。
 残念なことに醤油の消費量は年々低迷し、醤油屋として生き抜くのは大変厳しい世の中ですが、十八代目を預かる身として、この伝統を次世代につなぐために奮闘しています。
ぜひ、“本物の醤油”を味わってみてください。

(かめびし 十八代目 岡田 香織)


ソース瓶ラベル貼り・たまねぎ畑収穫風景・島田さん

 

 

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