鍛治商店

 (北海道小樽市)


北海道が誇る

発酵食品、飯寿司(いずし)


2014年『life520号』

 


 飯寿司は北海道の冬の保存食、発酵食品です。冬といっても、9月頃からスーパーに並び始め、飯寿司の季節の到来を感じます。飯寿司はいわゆる“なれ寿司”の一種なので、ハタハタだけでなく、ホッケやサケ、紅サケなどでも作ります。ただ、北海道の人間が一番好きなのはハタハタだと思います。ハタハタの白身で淡泊な味わいが飯寿司の酸味と合うのでしょう。北海道でハタハタ? と思われるかもしれませんが、北海道でもハタハタは結構獲れます。子どもの頃、数十年前は安かったということもあって、秋の食卓は毎日ハタハタかサンマでした。最近は昔ほど獲れなくなり、価格も高級魚になってしまいましたが、今でもハタハタは北海道で人気のある魚の一つです。
 この北海道が誇る発酵食品、飯寿司。ご飯のおかずというよりは、おつまみ感覚で食されることが多いように思います。お酒を飲まない人も、嗜好品的につまみます。あえて喩えれば、イタリア人やフランス人がチーズをつまむ感じと言いましょうか。
 好きな人は秋から食べ続けていますが、やはりお正月に食べるものとして北海道の食卓には欠かせない飯寿司。お届けする小樽かね丁鍛治商店の飯寿司は、糀の甘みと酸味が調和し、あっさり目で上品な味わいで食べやすいです。今年のお正月はぜひ飯寿司を食べて、北海道の冬の味覚を感じてもらえると嬉しいです。

(札幌中一 橋本 稔)

美味しいですよ〜

市販品とは違い、過酸化水素水や次亜塩素酸での漂白を行っていません
鍛治商店
飯寿司
(ハタハタ)

北海道の冬の保存食=飯寿司。いわゆる熟れ寿司ですがクセがなく食べやすい。ハタハタの旨味が引き立ちます。

 

 


鍛治商店

 (北海道小樽市)


国産かずのこでお正月を!

おせちイラスト

 


 鍛治商店は1910年代に初代の鍛治鉄太郎が、富山県高岡市より小樽に渡り魚の小売店として開業しました。現在のように冷蔵設備がない時代でしたので、売り残した魚に塩を施し干物にしたのが加工の始まりだったのですが、現在ではおかげさまで、かずのこで全国的に知られるようになりました。

鍛冶雅美さん

 かずのこについては、13代将軍足利義輝に献上されたという記録が最も古いとされています。そして、北海道でニシン漁が隆盛を極めたのは明治から昭和初期(最大で約100万tの水揚げがあったことも)。私たちもその約70年間は前浜産原料でかずのこを作ってきましたが、乱獲によって1952年にはニシン漁は途絶え輸入100%となってしまいました。その後、道をあげて長年続けた放流事業が実を結び、やっと2003年から小樽と石狩を中心にまた少しずつ漁獲されるようになりました。私たちにとっても小樽の前浜産かずのこは欠かすことのできない存在となってきています。
 かずのこは「子宝に恵まれる」という願いを込めた縁起物として、おせち料理の中でも欠かせない一品。残していきたい大切な食文化です。これからも北海道・小樽の地から、皆さんに喜んでもらえる水産加工品をお届けしたいと思っています。

(鍛治商店 鍛治 雅美)

にしんの水揚げ 市販品とは違い、過酸化水素水や次亜塩素酸での漂白を行っていません

 

 

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